はじめに

ご挨拶

二十一世紀に入り、世界における環境や資源・エネルギー制約の問題、日本においては新興国の台頭による産業の空洞化の進行、少子高齢化による人口減少時代への移行、情報化社会が進む一方で人のつながりの希薄化など、社会情勢は大きく変化してきています。そのような中で、私たちはどのような将来の「循環型社会」を目指せばよいのでしょうか。

資源循環・廃棄物研究センターでは、その問いかけに答えるべく、次の三つの主要課題に今後取り組んでいきたいと考えています。一つ目は、経済のグローバル化の下で廃棄物等はその資源的価値から国際的に移動、循環していることから、資源保全と環境リスク低減等の観点からその適正管理の枠組を提示します。二つ目は、アジアの新興国などにおいて廃棄物問題が顕在化していることから、日本との社会経済的な条件の違いを分析しつつ、日本が蓄積してきた技術や社会システムを参考にしながらアジア新興国などへの適用戦略を提示し国際貢献を行っていきます。三つ目は、日本の地域再生のために必要な持続可能な資源循環と経済の発展を支える社会関連共通資本の形成により、低炭素社会や自然共生社会と統合を考慮しながら循環型社会づくりを進めるための戦略を提示します。平成25年度は、以上の中長期的な課題に対して、当センター内の多様な専門性の深化と、センター内外の専門性の間の融合による新たな研究の価値創造を図り、研究の基盤となる研究技法確立と概念づくりを行いながら、より具体的な個別課題に取り組んでいきます。

また、引き続き、眼前にある東日本大震災・原発災害による放射能汚染廃棄物等への対処について、これまで当センターが蓄積してきた廃棄物管理研究の知見をベースに、放射性物質の挙動解明とそれを基にした適正処理技術システムの提示などの調査研究に取り組み、被災地の早期の環境回復に貢献することが使命だと考えています。

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