国立環境研究所循環センター・ポリシーブリーフ2
2021年1月13日
政策テーマ
人口オーナス時代における廃棄物・リサイクル政策
想定する読者
一般廃棄物に関わる政策担当者・コンサルタント
問題
人口減少がもたらす廃棄物システムの非効率化、
高齢化がもたらす高齢者のごみ出しと自治会によるごみステーション管理の困難
問題解決のための政策オプション
エビデンスベースでの政策目標設定、自治体特性に合致したリサイクルの推進、焼却施設のスケールダウンと集約化、高齢者のごみ出し支援
著者 田崎智宏稲葉陸太河井紘輔多島良鈴木薫
(資源循環・廃棄物研究センター 循環型社会システム研究室)
* 本ポリシーブリーフにおける見解は著者らによるものであり、必ずしも国立環境研究所もしくは資源循環・廃棄物研究センターの見解を述べたものではありません。

人口減少問題に対応した廃棄物施設計画&地域循環システムの提示

  • 今後の廃棄物政策の目標設定は、制約条件が厳しくなるため、エビデンスベースで行う必要がある。
  • 人口減少に突入する2030年頃までは、廃棄物量の自然減などによって、一般廃棄物に係る政策困難度は、「最終処分量の削減<廃棄物発生量の削減<循環利用率の向上」の順となる。
  • 人口オーナス時代における循環利用率の向上のためには、自治体毎の状況を勘案してごみ質に応じたリサイクルを促進すると同時に、焼却処理への依存を見直し、効率的な処理を確保するために廃棄物処理システムのスケールダウンと施設集約ならびに類似性状を有する廃棄物等の一括処理を進める必要がある。
  • 今後の広域化は、90年代のダイオキシン対策のための広域化とは異なり、人口減少による施設規模の縮小を食い止めるための広域化となる。

高齢化社会に対応した収集システムの提示

  • 高齢化による収集システムへの影響は、「ごみ出しの困難」と「集積所管理の困難」の2つの観点から顕在化しており、両課題への対策を統合的に検討する必要がある。
  • 制度面・アクター面で重なりがある高齢者福祉分野と相乗効果のある施策導入のために、高齢福祉課や訪問介護員等との緊密な連携が求められる。
  • 高齢化社会への短期的対応としては、人口規模や地域のつながり等の地域の実情に応じて支援策を導入することが有効であるが、収集箇所の増加・人口減少等による収集効率低下の要素も加味した収集システムの長期的方針は引き続き検討が必要である。
* 上記の内容は、2016~2020年度に実施した研究プロジェクト「維持可能な循環型社会への転換方策の提案」の研究成果をふまえて、著者らが政策含意を積極的に解釈・提示したものである。

本ポリシーブリーフは、下記の研究成果にも関係します。
併せてどうぞ参照ください。