高齢化・地域コミュニティの弱体化に対応するごみ集積所管理支援の事例集
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概要
国立環境研究所資源循環領域では、これまでの調査・研究で得られた知見に基づいて、「高齢化・地域コミュニティの弱体化に対応するごみ集積所管理支援の事例集」を作成しました。
日本の家庭ごみは多くの場合ごみ集積所を介して収集されており、ごみ集積所の管理は利用者が行うことが一般的です。ごみ集積所の良好な管理には①ごみ集積所の設置、②ごみ出し、③ごみ集積所の維持管理がそれぞれ適切に行われることが必要で、そのための各種調整や普及啓発は従来、自治会・町内会等の地域コミュニティ組織が担ってきましたが、全国的に自治会加入率は低下傾向にあります。さらに高齢化により役員のなり手不足や未加入者の増加等が深刻化するなど、従来通りのごみ集積所管理ができなくなる地域がでてくることが予想されます。
本事例集は、ごみ集積所管理の支援を行いたい自治体担当者や、ごみ集積所の管理を行っている市民および自治会関係者を読者として想定し、地域の課題に合わせてごみ集積所をより効率的に管理し、利用者に使いやすくする取組についてご紹介しています。
- (公開日 令和3年4月30日)
本事例集の特徴
- ① ステーション収集やごみ集積所管理の課題を詳しく説明
- ステーション収集の現状と課題、高齢化や地域コミュニティの弱体化がごみ集積所の管理にどのように影響するかについて分かりやすく解説し、なぜごみ集積所管理の支援が必要なのか理解できるようにしています。(第2章)
- ② ごみ集積所管理の支援事例をわかりやすく分類して提示
- 取組の内容によって①適切な設備の導入を支援する、②ごみを出しやすくする、③住民の助け合いによるごみ集積所の管理のしくみを支える という3つの項目に分類してあり、特に高齢者に係る取組については、わかりやすさのため高齢者マークを付けてあります。(第3章)
- ③ 役立つ情報をコラムで紹介
- 粗大ごみの放置や自治会未加入者等の問題に自治体はどのように対応しているかなど、気になる・役立つ情報をアンケート調査の結果等を用いてコラムで紹介しています。
事例のご紹介
(事例集p.3-4) ごみ集積所の蓋の開閉補助装置を設置している例―三重県大紀町―
(事例集p.3-18) 地域の問題に対応した普及看板・ポスターの作成―愛知県豊橋市―
関連する研究成果
- 鈴木薫, 多島良(2018) 超高齢社会におけるごみ集積所管理の実態と課題の整理,廃棄物資源循環学会研究発表会講演集, Vol.29, pp.69-70
- 鈴木薫, 多島良, 田崎智宏 (2019) 自治会ヒアリング調査による超高齢社会におけるごみ集積所管理の実態・課題整理,全国都市清掃研究・事例発表会講演論文集 Vol.40, pp.70-72
- 鈴木薫, 多島良, 田崎智宏 (2019) ごみ集積所の管理と高齢化の関係―つくば市における実態アンケート調査より―,廃棄物資源循環学会研究発表会講演集, Vol.30, pp.103-104
- 鈴木薫, 多島良(2019) これからの超高齢社会におけるごみ出しの課題,都市清掃, 72(348), pp.97-102
- 鈴木薫, 多島良, 田崎智宏(2020) 地域住民によるごみ集積所管理と地域コミュニティとの関係, 全国都市清掃研究・事例発表会講演論文集, Vol.41, pp.107-109
- 鈴木薫, 多島良, 田崎智宏(2020) 高齢社会に対応したごみ収集体制―現在の自治体の取組と今後の課題―,廃棄物資源循環学会研究発表会講演集, Vol.31, pp.85-86
- 鈴木薫, 多島良, 田崎智宏(2021),地域特性に応じたごみ集積所に係る問題の発生状況:自治体アンケート調査より,全国都市清掃研究・事例発表会講演論文集, Vol.42, pp.25-27
- 国立研究開発法人国立環境研究所 資源循環領域 資源循環社会システム研究室
- 鈴木 薫(すずき かおる)
- E-mail:suzuki.kaoru(末尾に@nies.go.jpをつけてください)
電話:029-850-2814 - 多島 良(たじま りょう)
- E-mail:tajima.ryo(末尾に@nies.go.jpをつけてください)
電話:029-850-2842