国立環境研究所は、環境大臣から指示のあった中長期目標を達成するために、中長期計画を定めて研究等に取り組んでいます。本年度は第4期中長期計画(2016(平成28)年度~)の最終年度となります。
研究所全体の計画概要はこちらを参考にして下さい。
https://www.nies.go.jp/kanko/news/35/35-1/35-1-02.html
資源循環・廃棄物研究センターでは、第4期中長期計画で定められた5つの課題解決型プログラムの1つである資源循環研究プログラムを主に担当しています。具体的には、3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進する技術・社会システムの構築、廃棄物の適正処理と処理施設の長寿命化・機能向上に資する研究・技術開発、バイオマス等の廃棄物からのエネルギー回収を推進する技術・システムの構築など、図1に示す5つのプロジェクトに取り組んでいます。
課題解決型プログラム以外の研究活動としては、持続可能な循環型社会の評価手法と転換方策を提案するための研究や各種基盤技術の開発および評価を行う基盤的調査・研究、東日本大震災に伴う原子力災害からの環境回復を進める上で必要な放射性物質に汚染された廃棄物等の適切な保管・中間貯蔵、減容等に関する研究や、頻発する自然災害を踏まえて、将来の災害に備えた環境マネジメントシステムの構築に関する災害環境研究に取り組んでいます。
また、第4期中長期計画で新たに開始された研究事業として、災害環境マネジメントに関する研究事業を災害環境マネジメント戦略推進オフィスにて行っています。オフィスでは、災害廃棄物処理に関する情報提供や、環境省が運営する災害廃棄物処理支援ネットワーク(D.Waste-Net)の一員として、災害発生時に緊急時現地支援事業を実施しています。
資源循環研究プログラム等の研究は5研究室1オフィスで100名(研究系職員27名、研究系契約職員16名、行政系職員2名、技術・事務系契約職員40名、その他15名)体制で実施されています。
第4期中長期計画の研究予算は国から交付される運営費交付金(当初予算額)が2016(平成28)年度、2017年度が4億2千万円、2018年度が4億9千万円、2019年度が5億1千万円、2020年度が5億2千万円、5年間の合計で23億8千万円となっています。また、環境研究総合推進費(環境省)や科学研究費補助金(文科省)などの競争的資金や受託費などの外部資金は5年間の合計で25億円と51%となっています。
研究所の目的(国立研究開発法人国立環境研究所法第3条)の一つに環境保全に関する知識の普及があります。この4年間に資源循環・廃棄物研究分野に関する研究成果を、学術誌(416件)や学会等の研究発表会(1,109件)で発表しています。また、当資源循環・廃棄物研究センターのホームページを通して、広く皆さんに研究成果をお伝えしていきます。
研究所全体の研究概要あるいは研究成果の詳細も研究所のホームページで公表されています。資源循環廃棄物分野に限らず、環境全般に関してご関心の研究が見つかると思います。
本年度は第4期中長期計画の最終年度となります。2021(令和3)年度から開始される第5期中長期計画期間に向けて、資源循環研究プログラムは再編し、新たな3プロジェクトで研究を進めるべく準備に取りかかっています。本年度は新型コロナウイルス禍でスタートしましたが、益々、皆さんの期待に応えられるよう研究に取り組んでいきたいと考えています。