循環・廃棄物の豆知識
2019年1月号

広域認定制度について

三浦 真一

近年、広域認定制度を利用して使用済みとなった製品を自ら回収して効率良くリユース・リサイクルしているメーカーが増えています。一般的な廃棄物処理は、廃棄物処理事業者が、処分業であれば事業所のある地方公共団体から、収集運搬業であれば、積み込み、積み替え、積み下ろし場所の地方公共団体から許可を取得して運用を行います。

それに対して、「広域認定制度」は、メーカー等が廃棄物を自社で再生することを事業として、環境大臣の認定を受けることにより、各地方公共団体から中間処理、最終処分、収集運搬、積替え保管等の許可を取得せずに運用できるという制度で、平成15年12月1日から施行されています。

メーカー等が使用済みとなった自社製品を収集し製品のノウハウを利用して処理することで、効率良くリサイクル、リユースを行うことが目的とされています。

そのため、第三者が単に廃棄物を複数の地方自治体から広く収集して処理するというだけでは認定は受けられません。現在、インクカートリッジ、電灯、石膏ボード製造各社も広域認定制度の認定を受けています。それにより、運送会社や積み替え保管場所もそれぞれ認定制度の収集運搬業者や回収拠点として登録されており、全国的に効率的な運搬、リサイクルが可能となっています。

広域認定制度により、廃棄物の埋め立てや不適正処分が軽減され、効率的な輸送により、二酸化炭素の排出が削減され、持続的な生産・消費活動につながることが期待されます。

図:広域認定制度概念図 図:広域認定制度概念図
(出典:環境省ホームページ広域認定制度の概要
URL: https://www.env.go.jp/recycle/waste/kouiki/leaflet.pdf
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