活動レポート
2018年5月号

資源循環・廃棄物研究センター 2018年 春の一般公開

多田 容子

国立環境研究所では、広く一般の方々に環境問題に関心を持って頂くとともに、研究所の活動について理解を深めて頂くため、毎年2回、4月の科学技術週間と小中学校が夏休み時期の7月に研究所の一般公開を行っています。
 2018年も4月21日土曜日に一般の方々(主に高校生以上)を対象とした、研究の内容・成果をご紹介する一般公開「春の環境講座-地球のことでアタマをいっぱいにする1日。-」が開催されました。
 当日は4月にも係わらず真夏日という暑い一日となりましたが、過去最多となる749名の方々にお越し頂きました。厚くお礼申し上げます。

今年の「春の環境講座」では、当センターは鈴木剛主任研究員が「いらなくなった電気製品はどこに行く?どうなる?」とのタイトルでの講演会と、松神研究員の「化学物質がまる見えに!?廃水分析の最前線」のパネル展示を行いました。

講演会は帰宅される方も多い午後の時間帯ではありましたが、ほぼ席も埋まり、多くの方に聴講頂きました。
 私たちは新しい電気製品を買う時に、購入するものの機能や性能、価格などを調べますが、使わなくなった電気製品がどこへ行きどのように処理されるかを考えることはあまりありません。そこで、国内での家電リサイクルのしくみや現状、海外へ行きついた電気製品ごみの再資源化の実態などについてご紹介しました。使用済み家電製品には金属やレアメタルなどの有用資源が多く含まれているため都市鉱山とも称されますが、鉛やカドミウム、水銀といった有害性物質を含むものや野焼きなどの不適切な処理を通じてダイオキシン類縁化合物が非意図的に副生成されることがあるのでがあるので、しっかり集めて適切に処理して再資源化することが大切だとのお話には皆様納得されていらっしゃいました。また、最後に家に帰っても覚えていてほしいこととして、ものの買い方と処分の仕方はすべてにつながること、まずはごみを減らし、そして再利用し、その後再資源化することをお伝えしたところ、熱心にメモを取られた方もいらっしゃいました。

家電製品のリサイクル工場や自動車内装材の難燃加工工場から出る廃水については、世界保健機関(WHO)と国連環境計画(UNEP)により厳しい管理が求められている臭素系ダイオキシン類の発生源ではないかと疑われています。そのため、臭素系ダイオキシン類の種類とその発生に関係している物質は何であるのか、そしてどれくらいの量が含まれているのかを調査する必要がありますが、今までは廃水中の化学物質を効率的かつ正確に幅広く調査できる分析方法は確立していませんでした。今回、パネル展示では、質量分析技術の飛躍的な進歩によって、研究所内にある装置を使って効率的かつ正確に、廃水中の臭素系ダイオキシン類とその関連物質を幅広く調査できるようになったことをご紹介しました。会場には実際に分析する廃水のサンプルを一緒に展示し、来場者のご興味を引いていました。

次の一般公開は7月21日土曜日に予定されています。春の一般公開(春の環境講座)は主に高校生以上を対象としていますが、夏の一般公開(夏の大公開)はすべての世代の方を対象としています。夏休み期間中ですので、ぜひ、ご家族やお友達、皆様お誘いあわせのうえご来場ください。私たちの研究成果を分かりやすくかつ楽しんで頂けるような形でご紹介したいと思います。

写真1 講演会の様子 写真1 講演会の様子
写真2 パネル説明の様子 写真2 パネル説明の様子
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