循環・廃棄物の豆知識
2018年3月号

バイオマス・バイオガスプラントについて

伊藤 浩平

バイオマス」は動植物を起源とする資源です。有機物からなるバイオマスは、燃焼させると二酸化炭素を発生しますが、植物の成長過程で大気中から二酸化炭素を吸収することによって全体的に排出と吸収のバランスが保たれ、二酸化炭素の増減に影響を与えないという特性を持っています。このような状態をカーボンニュートラルと呼びます。バイオマスは主に3種類に分類されます。1.家畜の糞尿や食品廃棄物(生ごみ)、木質廃材、下水汚泥等からなる「廃棄物系バイオマス」、2.稲わら、籾がら等の農作物非食用部や間伐材等の「未利用バイオマス」、3.さとうきびやトウモロコシに代表される燃料(バイオエタノール)等の原料として生産される「資源作物」です。これらのバイオマスの性質に応じて、飼料化、堆肥化、燃料化、バイオガス化等に利用されます。近年、地球温暖化防止や原油価格の高騰を背景に、化石燃料代替資源としてその利用が推進されていますが、国内においても東日本大震災に伴う原発事故を契機に太陽光や風力と同様、再生可能エネルギー源としての利用が期待されています。

エネルギー源としてのバイオマスの利用方法には、直接バイオマスを燃焼させて発電や熱回収に用いる方法と、微生物の力を利用してバイオマスを分解しメタン発酵する方法があります。メタン発酵により発生したガスを「バイオガス」と呼び、このガスを回収・精製しエネルギー化する施設を「バイオガスプラント」と呼びます。バイオガスプラントは主に、メタン発酵する処理設備と発生したガスを発電等に利用する設備に分けられますが、一般のごみ焼却施設に比べるとシンプルな構造です。バイオガスプラントでは、家畜の糞尿、食品廃棄物(生ごみ)、および下水汚泥などの廃棄物系バイオマスを原料として処理することが可能で、メタン発酵により発生したバイオガスを利用してエネルギー(電気、ガス)を回収するとともに、発酵残さは肥料として農地へ有効利用することができます。一方で、肥料としての用途がなければ発酵残さは焼却処理しなければなりません。また受入れの段階で可燃ごみの中からプラスチック等の不適合物を分別する必要があります。近年、施設の効率的な運用(エネルギー回収の高効率化)を目的として、ごみ焼却施設にメタン発酵設備を併設する施設や、分別作業の機械化を導入する施設も建設されています。

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