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プラスチックの処理・リサイクル技術
現地調査記録

 

〔株式会社トクヤマ〕
訪問日: 2003年1月28日
 
◆ 同社ウェブサイト
株式会社トクヤマ http://www.tokuyama.co.jp/
株式会社トクヤマサイト内
資源環境事業紹介ページ
http://www.tokuyama.co.jp/company/business/cement/resource.html
 
◆ プロセスフロー
株式会社トクヤマへのヒアリング調査及び工場見学に基づき整理したプロセスフローを次図に示す。
セメント原燃料化プロセスは、粉砕/移送と貯留・吹き込みに大別される。

図 セメント原燃料化のプロセスフロー

図 セメント原燃料化のプロセスフロー

 

 

◆ ヒアリングメモ


<廃プラスチックの粉砕/移送>

  • 現在、受け入れている廃プラスチックは、印刷業者から排出されたものや建設廃棄物等の産業廃棄物が中心である。
    建設廃棄物については産廃処理業者による中間処理を経た後のものである。
  • 廃プラスチックの破砕にあたっては、2段破砕を採用している。
    これは、1段では、ロール等の破砕効率が悪いためである。
    また、スチレン等の溶剤が使用されている廃プラスチックは、爆発等の危険があるため、破砕機内部の温度の監視は十分に行っている。
  • 軟質プラは、破砕機で30mm以下に破砕している。
    破砕後、サイロまで圧送され、サイロから切り出す際には定量している。
  • 硬質プラは、破砕機で25mm以下に破砕している。
    量が少ないため、破砕後、バッチ的に処理している。

<廃プラスチックの貯留・吹き込み>

  • 軟質プラ(フラフ)と硬質プラでは吹込方法が違う。
    フラフ状のものは、カットしただけで吹込みが可能(平成10年に実証)である。
    一方、硬質プラはフレーム燃焼させるとコストがかかるため、セメント原料に落とすように吹き込んでいる。
    なお、粒状とフラフ状では燃焼状況が異なるので、両者の吹き込みノズルも分けている。
  • セメント焼成プロセスは、プレヒーター(仮焼炉)−キルン−クーラーから構成される。
    キルンの径は5.7m、長さ110mである。
    また炉内の温度は、プレヒーター内は1,100〜1,200℃。キルン内は1,800℃である。
  • セメント焼成プロセスでは、キルン前部(窯前)から微粉炭や廃プラが燃料として吹き込まれる。
    キルン内のガスの滞留時間は約9秒と長く、完全な燃焼が可能である。
  • 廃プラの吹き込み量は、窯尻:窯前で約1:1である。
    窯前では約1/3が廃プラ(微粉炭10トンに対して約4トン吹き込み)である。
    セメント焼成設備から排出される排熱はボイラで回収され、工場内のユーティリティとして使用される。
  • セメント原燃料化では、廃プラ熱量の有効利用率が80%ほどあり、廃プラの前処理に係るエネルギーが少ないことが最大の特徴である。
    なお、廃プラの持つ熱量は、クリンカー焼成用53%、原料乾燥8%、石灰乾燥1%、発電18%の内訳で利用されている。

 

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