〔中村化成工業株式会社〕 |
訪問日: 2004年5月11日 |
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◆ 同社ウェブサイト |
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◆ プロセスフロー |
中村化成工業株式会社のヒアリング調査及び工場見学に基づき整理したプロセスフローを次図に示す。 |
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図 中村化成工業のプラスチックマテリアルリサイクルプロセス |
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◆ ヒアリングメモ |
<取り扱っている廃プラスチック>
- 中村化成工業(株)では硬質プラスチック製のポストコンシューマー材を中心に取り扱っている。
回収品目はPPもしくはPE製のコンテナ(ビール等の飲料容器の輸送箱が大半)とパレットが主である
(近年特に木製からプラスチック製パレットへの転換が進んでおり、パレットの取扱量が増えてきている)。
表 中村化成工業(株)にて受け入れているプラスチック |
リサイクル可能なプラスチックの種類 |
PP,PE,ABS,PS |
リサイクル可能なプラスチック製品 |
● コンテナー・クレート容器(飲料水・食品・工具の通い箱など)
● 自動車部品
● パレット
● その他 |
プラスチックの受入条件 |
● 不純物(紙、金具、油汚れ、有毒薬品等)が混入していない
● 積み下ろしがしやすい荷姿
● 種類が統一されている
● ユーザーによる持込 |
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- 具体的な取引先としては、大手のビールメーカーやパレットメーカー、自動車メーカーなどである。
- 現在入荷されているパレットは1990年代後半に製造されたものが多い。
パレットはパレットメーカーが納品先から下取りしたものが中心であるが、一部工程不良品も扱っている。
- 自動車関連では内装材(ドアパネルや車の中敷き:PP製)のほか、少量であるがバンパーも扱っている。
- コンテナグレード以外のものとして、椅子や雑貨などの比較的強度の弱いPP、PEも少量ではあるが取り扱っている。
これらの回収品はブレンドし、椅子のキャスターなどに再生している。
- 基本的には持ち込まれた回収品を有償で引き取っている。
特にビールケースのように、量が多く質が均一の回収品については高価で購入することが可能。
産業廃棄物に属する廃プラスチック(逆有償物)の引き取りは行っていない。
- 他社で粉砕したものを買い上げることもあるが、量は非常に少ない。この場合、異物(王冠、パチンコ玉、紙など)が混入している可能性があるので、再度当社で洗浄・異物除去を行うことにしている。
- プラスチックダンボールについては品質が安定していることから是非受け入れたいが、軽量すぎて風で散乱する恐れがあること、装置のラインや作業場を新たに設ける必要があることなどから、実現には至っていない。
- タルク(滑石)やガラス繊維などの混ぜものが入っているものは処理が困難。
- 家電工場からの回収品など種類が多岐に亘り、それぞれのロットが大きくない場合については、協力会社に破砕・チップ化を任せる場合が多い。
<着色・押出〜ペレット化〜>
- 洗浄技術の向上によって上質のチップが得られるようになったので、ペレット化する必要性が薄れてきている。
現在、粉砕量4000t/年のうちペレット化されるのは1200t/年である。
- ペレットにするのは、着色するもの、脱泡するもの、単独だと強度に問題があるものである。
- 再生チップを40〜120のメッシュを通過する程度に溶解し、線状に押出した後、細かく切断して再生ペレットを作る。
<再生材の販売・利用>
- 再生チップの品質は以下の3点で決まる。
1 |
チップの大きさが適当か? |
2 |
水気が残っていないか? |
3 |
原料の回収品の質が良く、グレード・色が単一か? |
- チップを直接成形できるまで品質を向上させることで、チップのまま販売することができるようになり、今はそのような形での出荷がメインとなっている。
- 通常、再生材の価格はバージン材の7〜8割程度となっており、いかに品質を高めるかがポイントとなっている。
また、再生チップの価格はバージンペレットの2〜3割程度である。
- 再生品の引き取り先は十分に確保されており、ストックを抱え込む事態になることは稀である。
それよりは上質の回収品を安定的に確保することの方が困難な状況である。
- メーカーや成形業者から委託されて加工する場合は、再生品の色・質について細かな指定を受けることがある。
当社が独自に収集した回収品の場合は、その回収品の特性にあった加工を施している。
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