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プラスチックの処理・リサイクル技術
現地調査記録

 

〔株式会社広島リサイクルセンター〕
訪問日: 2005年2月23日
 
◆ 同社ウェブサイト
株式会社広島リサイクルセンター http://www.h-recyclecenter.co.jp/
 
◆ プロセスフロー
株式会社広島リサイクルセンターへのヒアリング調査及び工場見学に基づき整理したプロセスフローを次図に示す。
図 (株)広島リサイクルセンターにおけるプラスチックマテリアルリサイクルプロセスのフロー
図をクリックすると拡大します
図 (株)広島リサイクルセンターにおけるプラスチックマテリアルリサイクルプロセスのフロー

 

 

◆ ヒアリングメモ


<設備の概要>

  • 現在は5,000トン/年の処理能力を持つラインを3本(合計処理能力1万5,000t/年)設置している。
    平成17年4月より、さらに1万5,000t/年の処理能力を持つラインを稼働開始予定である。
  • 施設は県の工業団地の用地(2万坪弱)を買い受けた。
  • 当工業団地には、(株)広島リサイクルセンター以外に冷凍食品製造事業者、アスファルト原料製造事業者、業務用冷蔵庫製造事業者等が立地している。
  • 当工業団地は台地の上に立地しているため水が非常に少なく、費用がかさんでいる。
    平成17年4月からは、市が新しく設置した浄水場が稼働開始予定である。

<取り扱っている廃プラスチック>

  • ベール品の60%は福山市から発生したプラスチック製容器包装である。
    この他、尾道、三次、庄原、府中、岩国、井原、笠岡等からのベール品も受け入れている。
  • 受け入れたベール品は、極力施設内に滞留させてないよう考慮している。

<選別・粉砕>

  • 選別は、磁力選別、手選別、浮上選別を行っている。
  • 手選別工程では、1ラインにつき6人を配置し、発泡スチロール(EPS)、異物(割り箸、繊維類、紙類等)、PETボトル等を除去している。この工程では全体の10%程度が取り除かれる。
    なお、収率を上げるため、磁力選別で除去した鉄片等に友連れしたプラスチックを回収するため再度手選別を行っている。
  • 浮上選別工程では、軽量物(主にPP、PE)と重量物(異物)とを選別している。
    この工程では全体の20%程度が取り除かれる。
  • 手選別で取り除かれたEPSは、別ラインで破砕、溶融・固化され、インゴットになる。
    現状では、手選別で取り除かれなかったEPSは残渣として処分されている。

<遠心脱水・スラリー化・遠心分離・乾燥>

  • 遠心分離工程では重量物、主として比重の大きいPET・ポリスチレン・塩化ビニル類と比重の小さいポリオレフィン(PP、PE)を分離している。
    現状では分離された塩化ビニルは産業廃棄物として処分しているが、RPFに加工できるよう研究中である。
  • ポリオレフィン(PP、PE)は乾燥され、フレーク・フラフの混合品となる。

<配合・造粒>

  • フレーク・フラフ混合品を配合し、ペレット化する。十分にEPSが除去されていない場合、ペレットが発泡して強度が落ちる。
  • ペレット化の際には、異物除去のため溶融したフレークを2枚の金属メッシュに通している。
    この金属メッシュは30〜40分に1回の頻度で交換している。

<再生材の販売・利用>

  • フレーク・フラフの混合品の状態で販売することも可能だが、現状では有価にならないと思われるため、ペレット化して販売している。
  • 販売先では、車止め、パレット、擬木、ハンガー等に加工されている。
  • ペレットを20〜50%使用したごみ袋の試作に取り組んでいる。

<その他>

  • 水は井戸水を使用しており、工程で使用した水の55%を循環させている。
    使用済みの水は敷地内にある廃水処理施設(処理能力280t/年)で処理した後、近隣の河川に放流している。
    平成17年4月より、新ラインの稼働に合わせて処理能力300t/年の廃水処理施設を増設する予定である。
  • 当施設と同様に、協同組合の組合員が再商品化事業を行っているのは新潟県、鳥取県等である。

 

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