〔岐阜県清掃事業協同組合(株式会社タイボー)〕 |
訪問日: 2003年2月15日 |
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◆ 同社ウェブサイト |
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◆ プロセスフロー |
株式会社タイボーへのヒアリング調査及び工場見学に基づき整理したプロセスフローを次図に示す。
マテリアルリサイクルプロセスは、資源化(再商品化)と原料化、再生製品化に大別される。
以下、各プロセスの特徴を記す。 |
図 岐阜県清掃事業協同組合(技術提供元:(株)タイボー)における
マテリアルリサイクルのプロセスフロー |
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なお、株式会社タイボーはプラスチック製容器包装のマテリアルリサイクルのうち、原料化、再生製品化プロセスを実施しており、資源化プロセスについては他社が実施している。
ただし、ここでは資源化プロセスも含めたマテリアルリサイクル全体に亘り記述した。
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◆ ヒアリングメモ |
<廃プラスチックの再資源化(再商品化)>
- 再資源化プロセスは、大別すると破砕、分離、洗浄、乾燥の工程から構成される。
このプロセスは岐阜県清掃事業協同組合等の再商品化事業者が保有するプロセスである。
- 再資源化プロセスでは、べールとして受け入れたプラスチック製容器包装を解梱し、振動、風選による異物除去、磁選による金属除去を行ったのち、手選別(2〜4人)により紙、割り箸、トレイ等を選別している
(トレイについては別工程でインゴット化)。
- 選別されたプラスチックは破砕機で15〜17mmに破砕し、湿式洗浄(もみ洗い)、脱水したのち、比重分離により異物除去・一次分級している。これにより沈みやすいプラスチックであるPET、PVCや金属、砂等が除かれる。
- 浮きやすいプラスチックは空気輸送で別の建家に輸送されたのち、スラリー化(水と一定割合で混合)し、高度分級している。高度分級(遠心分離)により、比重の小さいもの(オレフィン)と比重の大きいものに分けている。
- 比重の小さいものの割合は50%程度(べールを100%とした収率)であり、これがフレークとなる(主にPE、PP)。
- 一方、比重の大きいプラスチックの割合は25%程度(べールを100%とした収率)である。
多くはPSであるが、PVCも数%混入しているため、一部RDFとして利用しているものもあるが、ほとんどは廃棄している。
- プロセスの動力としては電力(300kW)を使用している。
また、洗浄や比重分離等の工程で使用される水(循環利用しており、新規投入分は48〜50t/日)は施設内の排水処理施設で処理されたのち放流される。
<廃プラスチックの原料化>
- 原料化プロセスは、(配合)、造粒のプロセスから構成される。
当プロセスによって、オレフィン系プラスチックのフレークがペレット化される。
製品によっては、副資材として産廃プラやバージンプラを投入することもある。
配合は造粒機の性能等に応じて実施する場合としない場合がある。
- なお、当プロセスは岐阜清掃事業協同組合輪之内工場の敷地内に3ラインが稼働している。
プロセスの技術はタイボーが保有するものであるが、形式上、1ラインは岐清協が、残り2ラインはタイボーの所有物となっている。
- 原料化のプロセスから得られたペレットの一部については、原料として販売されている
(フレークのまま販売されることはない)。
<廃プラスチックの再生製品化>
- 再生製品化プロセスは、(配合)、成形のプロセスから構成される。
当プロセスでは、ペレットを顔料やバージン樹脂、産廃プラと配合し、成形機(1ライン、タイボーが所有)により成形して製品化している。
- 現在、受け入れている廃プラスチックは、印刷業者から排出されたものや建設廃棄物等の産業廃棄物が中心である。
建設廃棄物については産廃処理業者による中間処理を経た後のものである。
- 廃プラスチックの破砕にあたっては、2段破砕を採用している。
これは、1段では、ロール等の破砕効率が悪いためである。
また、スチレン等の溶剤が使用されている廃プラスチックは、爆発等の危険があるため、破砕機内部の温度の監視は十分に行っている。
- 軟質プラは、破砕機で30mm以下に破砕している。
破砕後、サイロまで圧送され、サイロから切り出す際には定量している。
- 硬質プラは、破砕機で25mm以下に破砕している。
量が少ないため、破砕後、バッチ的に処理している。
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