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プラスチックの処理・リサイクル技術
現地調査記録

 

〔株式会社関商店〕
訪問日: 2005年7月11日
 
◆ 同社ウェブサイト
株式会社関商店 http://www.rpf-seki.co.jp/
 
◆ プロセスフロー

株式会社関商店へのヒアリング調査及び工場見学に基づき整理したプロセスフローを次図に示す。


図 関商店におけるRPF製造プロセスのフロー

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図 関商店におけるRPF製造プロセスのフロー

 

 

◆ ヒアリングメモ


<会社および施設の概要>

  • 株式会社関商店・茨城工場の敷地面積は約6,000坪、従業員数は約80名(平成17年7月現在)である。
  • 同社のRPF製造事業は、平成9年に通商産業省により「新エネルギー法」に基づく第1号事業の認定を受けている。
  • 平成12年に茨城工場に現在のRPF施設(第1工場)を設置し、平成16年10月には同敷地内に第2工場を設置した。
    現在は、第1工場のみフル稼働しており、第2工場は稼働状態を考慮しつつ運転を行っている。
  • 茨城工場では、製造するRPFのサイズ(直径)によって3つの製造ラインに分かれている。
    また、ガラスや金属類等の不適合物を除去し、容リ法の分別適合品(ベール品)を製造するラインも設けている。

  • 第1工場
    ライン名 処理内容 能力
    1Aライン 直径8mmのRPF製造 4t/h
    1Bライン 直径20mmのRPF製造 2t/h
    1Cライン 直径40mmのRPF製造 2t/h
    1Dライン 分別基準適合化 選別ライン 3t/h

    第2工場
    ライン名 処理内容 能力
    2Aライン 直径8mmのRPF製造 4t/h
    2Bライン 直径20mmのRPF製造 4t/h
    2Dライン 分別基準適合化 選別ライン 3t/h

<RPFの原料と成り得る廃棄物>

  • RPFの主原料は、産業廃棄物由来のプラスチックと、再生紙原料として利用できない古紙である。
    また、一部では木くずも原料として利用できる。
  • RPF製造業界では、前処理なしでRPFの原料とできる廃プラや古紙は、近年不足してきていると言われているが、異物の除去等の前処理をしっかりと行えば、不足分は補えると考えている。
  • 現在の法律ではサーマルリサイクルは認められていないものの、プラスチック製容器包装は、前処理を施せばRPFの原料として利用しても技術上は問題ないと考えている。
    マテリアルリサイクルの残渣については、以前RPF原料として利用できるかテストしたところ、塩ビ除去装置を通せば利用可能であることが分かった。

<RPFの生産可能量(原料の受入量)>

  • 消防庁資料でRPF製造工場として上げられている事業所のうち、実際に事業を行っていると思われるのは67社である。
    この67社の施設規模を足し上げると1,660t/日であり、1社あたりの平均製造能力は25t/日(約600t/月)となる。
  • 国内のRPF工場数は年々増加しており、仮にRPF工場が100ヶ所となった場合、上述した1社あたりの平均製造能力25t/日を基に計算すると、国内全体でのRPF年間製造量は約75万t/年(25t/日×25日×100社×12ヶ月)になる。
  • 株式会社関商店でのRPF製造能力は、茨城工場の第1工場で3,200t/月、第2工場で3,300t/月、館林工場で1,000t/月である。したがって年間約9万tの製造能力を有している(7,500t/月×12ヶ月)。

<原料の調達>

  • RPFの原料調達先として多い業種は、食品製造業、物流業、印刷業等である。
  • 茨城工場では、経済的な観点から、工場の半径100km圏内で原料を調達している。
  • 茨城工場での主原料は産業廃棄物である廃プラ、および再生紙に向かない紙くずである。
    この他、一部、自治体で分別収集された廃プラも受入れており、Dラインで不適合物の除去を行った後、RPFの原料としている。

<不適合物の除去>

  • 茨城工場で受入れるRPF原料には、直接RPF製造ラインに投入できるものと、不適合物除去工程を必要とするものの2種類がある。
    前者は主に分別がしっかりと成されている、もしくは分別工程を既に経ている産業廃棄物であり、
    後者は異物混入の恐れがある産業廃棄物や、自治体から収集される廃プラスチックである。
  • Dラインで、不適合物として発生する残渣は、全て発生元の市町村に返却している。

<製品の販売>

  • RPF製品は、石炭価格の約1/4〜1/3程度の価格で販売している。
    これには輸送費が含まれているが、RPFの需要が高まってきているため、1〜2年のうちに販売先が輸送費を負担するようになるのではないかと見込んでいる。
  • RPF製品販売先への輸送距離は、遠いところで1,000km(北海道:フェリーにて輸送)である。
    ただし、近年関東地域でのRPFの需要が高まってきているため、4〜5年後には北海道への製品輸送は難しくなる可能性は否定できない。

<製品の品質>

  • 関商店で製造しているRPFの品質は、日本RPF工業会の定めた品質基準(下表参照)に準じている。

    項目 石炭相当品 コークス相当品
    高位発熱量 6,000kcal/kg以上 8,000kcal/kg以上
    水分 3.0%以下 1.0%以下
    灰分 7.0%以下 5.0%以下
    全塩素 0.3%以下 0.2%以下
    硫黄 0.2%以下 0.2%以下
    窒素 0.5%以下 0.5%以下
  • RPF中の塩素含有率が0.3%を超えると、RPFを投入するボイラーが故障してしまう恐れがあるため、上表のような品質基準を設定している。
  • RPFの高位発熱量は、廃プラスチックと古紙との配合率を変えることによって調整している
    (発熱量を上げる場合は廃プラスチックの配合率を高くする)。
    製造しているRPFの約8割は6,000kcal/kgであり、約2割が8,000kcal/kgである。
  • 日本RPF工業会の品質基準のみでなく、JISでの品質基準を設定することが望まれている。

<C-RPFについて>

  • 現在開発中のC-RPFは、RPFよりも炭素分が多いため、燃料効率が良く、発火点が高いという長所がある。
    石炭と同様に燃えるため、石炭の代替材料としての利用が期待されている。
    ただし、RPFよりも灰化率は高い。

 

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