プラスチックの処理・リサイクル技術 |
固形燃料化 [技術の概要] |
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技術概要 |
- RPFとは、古紙と廃プラスチックを主原料とした固形燃料であり、以下のような特徴を持つ。
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(1) |
ハンドリング性: |
固形で密度が高いため、石炭やコークスと同等の利便性をもち、運搬性、貯蔵性に優れている。 |
(2) |
品質: |
発生履歴が明らかな産業廃棄物を主原料とするため、品質が安定している。 |
(3) |
熱量(カロリー): |
ボイラー等のスペックに応じ、古紙と廃プラスチックの配合比率を変えるだけで容易に熱量調整が可能、古紙と廃プラスチックを50:50にすると、石炭相当の6,000kcal/kg級、廃プラスチックの比率をあげればコークス相当の8,000kcal/kg級の発熱量を持つ燃料が得られる。 |
(4) |
ボイラー等での利用: |
産廃を利用するため、品質が安定し、不純物混入が少ないため、ボイラー等熱焼却炉における塩素ガス発生によるボイラー腐食やダイオキシン類の発生がほとんどない。SOxの発生も少なく、排ガス処理が容易。 |
(5) |
経済性: |
現状で石炭価格の3分の1〜4分の1程度。灰化率は7%以下で、石炭に比べ2分の1以下になるため、灰の処理費の削減も可能。 |
- なお、ごみを固形燃料化したものは、一般にRDF(Refuse Derived Fuel)と呼ばれる。
RDFは家庭から集めた生ごみを含む一般廃棄物を主原料にしているため、異物の混入、高塩素濃度、低発熱量(3,000〜4,000kcal/kg)といった点が課題である。
- RPFの製造プロセスは次図に示すとおりであり、RPFの原料として不適切なものは選別・削除され、破砕した後、直径8mm、20mm、40mmに成形される。
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出典:関「RPFの現状と今後の見通し」、紙パ技協誌、第56巻第10号(2002) を一部改変 |
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マテリアルフローにおける位置付け、受入実績 |
- 2005年時点では、容器包装リサイクル法ではプラスチック製容器包装の再商品化手法に位置づけられていない(紙製容器包装については再商品化手法として位置づけられている)
- (社)プラスチック処理促進協会の推計によれば、一般廃棄物系のプラスチックで7万tが、産業廃棄物系のプラスチックで49万tが固形燃料化されている(2004年推計値)
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受入可能な廃プラスチック |
- 廃プラスチック類については、ポリ塩化ビニル(塩ビ)以外の熱可塑性樹脂であれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリルなどの単体だけでなく、複合材でも原料として使用可能。
- 産業系プラスチック(塩ビは除く)と紙だけを受け入れている事業者もある。
- 容器包装プラスチックのマテリアルリサイクル残渣についても受入可能とする事業者もある。
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受入能力 |
- 新聞情報等を基に把握した国内のRPF化施設は以下のとおり。
施設名称 |
所在地 |
処理能力 |
稼働
開始 |
出典等 |
株式会社市川環境エンジニアリング
行徳工場 |
千葉県
市川市 |
120t/日 |
03年5月 |
環境新聞 平成17年(2005年)1月26日(水) 5面
※容リ法紙固形燃料化H17登録事業者 |
三造エコ燃料株式会社
本社工場 |
大分県
大分市 |
@4,200t/月
A第一期分として毎時4トンのRPF生産施設に着工 |
01年12月 |
@環境新聞 平成17年(2005年)1月26日(水) 5面
A化工日報 2002年6月21日
※容リ法紙固形燃料化H17登録事業者
※日本RPF工業会会員 |
オガワエコノス
鵜飼工場 |
広島県
府中市鵜飼町 |
25t/日 |
03年3月 |
環境新聞 平成17年(2005年)1月26日(水) 5面 |
株式会社関商店
茨城工場 |
茨城県
猿島郡総和町 |
3,200t/月 |
00年7月 |
環境新聞 平成17年(2005年)1月26日(水) 5面
※容リ法紙固形燃料化H17登録事業者
※日本RPF工業会会員 |
株式会社関商店
館林工場 |
群馬県
館林市 |
1,000t/月 |
91年 |
環境新聞 平成17年(2005年)1月26日(水) 5面(元文献の処理能力はt/日だが、t/月に修正)
※容リ法紙固形燃料化H17登録事業者
※日本RPF工業会会員 |
知多イー・アンド・エム |
愛知県
知多市 |
@1,600t/月A4t/hr |
99年 |
@環境新聞 平成17年(2005年)1月26日(水) 5面(元文献の処理能力はt/日だが、t/月に修正)A週刊循環経済新聞 平成14年(2002年)11月4日(月)
※日本RPF工業会会員 |
大林開発株式会社
RPF沼津工場 |
静岡県
沼津市 |
@1,600t/月A18,000t/年(生産能力) |
02年 |
@環境新聞 平成17年(2005年)1月26日(水) 5面(元文献の処理能力はt/日だが、t/月に修正)A化工日報 2003年3月12日
※容リ法紙固形燃料化H17登録事業者
※日本RPF工業会会員 |
豊田ケミカルエンジニアリング |
愛知県
半田市 |
1,985t/年 |
02年 |
環境新聞 平成17年(2005年)1月26日(水) 5面 |
上越マテリアル株式会社
吉川環境工場 |
新潟県
中頚城郡吉川町 |
18,000t/年
(生産能力) |
04年 |
週刊循環経済新聞 平成16年(2004年)10月18日(月) 2面
※容リ法紙固形燃料化H17登録事業者
※日本RPF工業会会員 |
株式会社エコ・マイニング |
千葉県
八千代市 |
4,500t/月(生産計画量) |
03年8月 |
※日本RPF工業会会員 |
松崎商事株式会社 |
大阪府
岸和田市 |
1,500t/月 |
01年 |
※日本RPF工業会会員 |
環境サービス
寄居工場 |
埼玉県
寄居町 |
50t/日 |
05年2月 |
環境新聞 平成17年(2005年)1月26日(水) 5面 |
パックス |
愛知県
大口町 |
500m3/日を目標 |
03年 |
週刊循環経済新聞 平成15年(2003年)5月26日(月) 1面 |
九州産廃 |
熊本県
菊池市 |
36t/日
(製造能力) |
03年4月 |
週刊循環経済新聞 平成15年(2003年)7月28日号ダイジェストニュース |
エビス紙料 リサイクルセンター |
香川県
観音寺市 |
2工場で月2,000tを製造 |
03年内に設備増強 |
週刊循環経済新聞 平成15年(2003年)10月6日号ダイジェストニュース |
安田産業グループ(施設は 大剛 八幡工場内) |
京都府
八幡市 |
3t/hr |
04年7月 |
週刊循環経済新聞 平成16年(2004年)7月19日号ダイジェストニュース |
東京エルテック
愛川リサイクルプラント |
神奈川県
愛川町 |
製造ラインはまず5t/日05年には24時間運転の50t/日規模へ拡充 |
04年 |
日刊工業 2004年12月15日 |
大栄環境西宮リサイクルセンター
三木リサイクルセンター
和泉リサイクルセンター
三重総合リサイクルセンター
(運営は系列の三重中央開発) |
兵庫県西宮市/兵庫県三木市/大阪府和泉市/三重県伊賀市 |
完成すれば90t/日(生産能力) |
04年より事業再開 |
日刊工業 2004年11月24日 |
リサイクルアース |
大阪府高石市 |
RPF24t/日 |
04年 |
日刊工業 2004年11月22日 |
株式会社苫小牧清掃社
リサイクルセンター |
北海道
苫小牧市 |
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※容リ法紙固形燃料化H18登録事業者 |
株式会社ウィンクリン
十勝リサイクルプラザ |
北海道
帯広市 |
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※容リ法紙固形燃料化H18登録事業者
※日本RPF工業会会員 |
株式会社北日本環境保全
RPF工場 |
岩手県
北上市 |
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※容リ法紙固形燃料化H18登録事業者 |
太平洋セメント株式会社
大船渡工場 |
岩手県
大船渡市 |
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※容リ法紙固形燃料化H18登録事業者 |
協業組合 仙台清掃公社
RPF製造工場 |
宮城県
黒川郡大衡村 |
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※容リ法紙固形燃料化H18登録事業者 |
環境資源株式会社
大熊事業所 |
福島県
双葉郡大熊町 |
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※容リ法紙固形燃料化H18登録事業者 |
株式会社カツタ
本社工場 |
茨城県
ひたちなか市 |
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※容リ法紙固形燃料化H18登録事業者 |
丸源起業株式会社 固形燃料化施設 |
千葉県
山武郡横芝町 |
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※容リ法紙固形燃料化H18登録事業者 |
株式会社G・フレンドリー
本社工場 |
長野県
北安曇郡松川村 |
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※容リ法紙固形燃料化H18登録事業者 |
カンポリサイクルプラザ株式会社
本社工場 |
京都府
船井郡園部町 |
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※容リ法紙固形燃料化H18登録事業者 |
関西製紙原料事業協同組合
忠岡工場 |
大阪府
泉北郡忠岡町 |
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※容リ法紙固形燃料化H18登録事業者 |
株式会社タイヨー
第2リサイクルプラント |
広島県
広島市 |
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※容リ法紙固形燃料化H18登録事業者 |
有価物回収協業組合石坂グループ
大津事業所 |
熊本県
菊池郡大津町 |
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※容リ法紙固形燃料化H18登録事業者 |
太平洋セメント株式会社
津久見工場 |
大分県
津久見市 |
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※容リ法紙固形燃料化H18登録事業者 |
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前処理の必要性 |
- RPF原料に塩ビ、金属等の異物が含まれている場合はこれらを除去する必要がある。 以下のような手順で前処理を実施している事業者が見られる。
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(1) |
まず、1次破砕機で選別に適したサイズに破砕し、風力選別機で異物を除去する。この風力選別機では、気流中に処理物を投入し、その飛散距離の差により重量物と軽量物に分別する。
金属の塊などのRPFの原料に適さない重量物は除去される。 |
(2) |
その後、磁選機により鉄分を除去、目視による手選別、うず電流によるアルミ選別工程を得てPVC選別機に投入される。このPVC選別機では、プラスチックに近赤外線を照射し、材質により波長の吸収度が異なることを利用して塩ビを除去する。 |
- なお、塩素が含まれる場合、使用先施設では付属設備(配管等)の腐食が問題となるため、塩素を除去する程度はRPF化したものを燃料として利用する施設の受入条件(炉の形式/脱塩装置を有しているか等)によって決まる。
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受入条件等 |
- 熱硬化性プラスチックは、その含有割合によっては成形できない場合があるので混入は望ましくない。
- 破砕機に投入できるサイズのものであれば、破砕後成形するので、形状(フィルム状、粒状等)に制約はない。
- 水分が40%以下で、塩ビ・金属を含んでいなければ、微粉砕されたフレーク状の廃プラでも受け入れ可能であるとする事業者もある。
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