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プラスチックの処理・リサイクル技術
現地調査記録

〔神奈川県横須賀市〕
訪問日: 2004年12月7日
 
◆ 関連 ウェブサイト
横須賀市 http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/
横須賀市リサイクルプラザ
「アイクル」
http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/aicle/
 
◆ プロセスフロー

横須賀市へのヒアリング調査及び施設見学に基づき整理したプロセスフローを次図に示す。


図 横須賀市 プラスチック選別・ベール化プロセスのフロー
図 横須賀市 プラスチック選別・ベール化プロセスのフロー

 

 

◆ ヒアリングメモ

<取り扱っている廃棄物>

  • 横須賀市の人口は約43万人、世帯数は約18万世帯である。
  • 資源物の分別収集を開始する以前は「燃やせるごみ」「燃やせないごみ」の2分別であった(プラスチック類は燃やせないごみに区分)。
    現行では「燃やせるごみ」「不燃ごみ」「缶・びん・PETボトル」「容器包装プラスチック」の4区分としている
    (容器包装以外のプラスチックについては、「不燃ごみ」に区分)。
  • 容器包装プラスチックについては平成13年度から分別収集を開始した。
    収集量は平成15年度で10,742t(平成14年度で10,245t)である。
  • 容器包装プラスチックの分別収集開始(4分別開始)にあたっては、平成12年10月〜平成13年3月にかけて、町内会等を対象に1,129回の説明会を開催した。
  • 市内のごみ集積所は約7千5百ヶ所であり、パッカー車で収集している。
  • ごみの収集頻度は、「燃やせるごみ」が週2回、「缶・びん・PETボトル」が週1回、「容器包装プラスチック」が週1回、「不燃ごみ」が月2回である。市内を4地区に区分し、地区毎に収集曜日を変えている。
  • 市のごみ収集は直営と代行の割合がほぼ半々である。
  • 缶・びん・PETボトルについては、3種混合収集を行っている。
    収集はパッカー車であるため、ガラスびんが割れないように缶・PETボトルがクッションの役目をしている。
  • 市の収集以外にも、「缶以外の金属」、「古着・古布」、「新聞紙」、「雑誌」、「紙パック」、「段ボール」、「その他の紙」について集団資源回収を実施している。

<施設>

  • 容リ法の施行を契機に、容器包装(缶類、びん類、PETボトル、容器包装プラスチック、段ボール、紙パック、その他の紙)の前処理ができる施設として、横須賀市リサイクルプラザ(アイクル)を整備した(平成13年4月稼働)。
    同施設の整備には90億円を要した(うち約半額を国庫補助)。
  • 容器包装プラスチックの処理能力は74t/日(5時間)である。
    施設の稼働時間は1日5時間であるが、清掃等も含めると8時間程度となる。
    なお、他の資源物をあわせた処理能力は220t/日(5時間)である。
  • 日量5t以上のリサイクル施設にはプラザ施設を設置し啓発に資する旨が規定されており、本施設もプラザ施設(再生工房、展示スペース等)を併設している。

<破袋・選別>

  • 搬入された容器包装プラスチックは、計量機で計量したのち、プラットホームから貯留ピットに投入され、クレーンで受入ホッパー(2系統あり)に投入される。
  • ホッパーに投入された容器包装プラスチックは、破袋機を通り、手選別で異物を除去する。
    手選別のライン(2ライン)には各1名(ベテラン作業員)を配置している。
  • 破袋・選別ラインでは、搬出量をコントロールするため、中央制御室でコンベアスピードの調整を行っている。

<圧縮・梱包>

  • 異物を除去した容器包装プラスチックは、圧縮梱包機で梱包し、ストックヤードに貯留する。
  • 容器包装プラスチックのベール品のサイズは1m角であり、重量は1個あたり約250kgである。
  • 容器包装プラスチックベール品については、初年度(平成13年度)は200tを油化業者に、残りを日本鋼管(現JFE)の高炉還元に引き渡した。
    平成14〜16年度については、全量がJFEの高炉還元であった。
  • ベール品は、ウイング車で引取に来る。
    ウイング車1台にベール品32個(約8t)を積載する。
    1日にベール品が約160個できるので、毎日5台程度が引取に来ることになる。

<その他>

  • 収集した缶・びん・PETボトルは、ガラスびんの破損を抑える目的から混合収集し、リサイクルプラザ内の自動倉庫型受入供給装置(2日分の貯留能力を保有)に保管したのち、破袋機に通される。
    その後、手選別のライン(7人×2ライン)で破袋し、風選機で「びん」、「缶・PETボトル」、「収集袋」に選別する(この場合、中身の入ったPETボトルや缶はびんに選別されてしまう)。
  • ガラスびん(割れびん含む)については手選別(8人×1ライン、7人×1ライン)で3色に分別したものをカレットヤードに保管している。
  • 缶・PETボトルについては、磁選機、アルミ選別機で、スチール缶、アルミ缶、PETボトルに分別する。
  • PETボトルについては異物手選別(6人を配置)したのち、圧縮梱包機でベール化している。
  • 缶・びん・PETボトルのラインにシャンプーボトル等が混入していることがある。
    これらについては、異物手選別後、容器包装プラスチックのラインへ搬送している。
  • ガラスびん(茶色、その他色)については、全量を指定法人ルートに引き渡している。
    PETボトルについては、1/3を指定法人ルートへ、2/3を独自ルートへ引き渡している(平成15年度は各ルートへ1/2ずつ引渡)。アルミ缶、スチール缶は売却(2ヶ月毎の入札制)している。
    ガラスびん(無色)、紙製容器包装についても有価売却している。
  • その他の紙(禁忌品除く)、紙パック、段ボールについては集団資源回収を行っている。
    これら3種を抱き合わせて有価(入札)で売却している。

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