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プラスチックの処理・リサイクル技術
現地調査記録

〔千葉県柏市〕
訪問日: 2005年2月17日
 
◆ 関連 ウェブサイト
柏市 http://www.city.kashiwa.chiba.jp/
柏プラネット(前処理施設) http://k-planet.org/
 
◆ プロセスフロー

柏市へのヒアリング調査及び施設見学に基づき整理したプロセスフローを次図に示す。

図 柏市 処理プロセスのフロー
図をクリックすると拡大します
図 柏市 処理プロセスのフロー

 

 

◆ ヒアリングメモ


<施設>

  • 柏プラネット敷地内には、家庭系および事業系プラスチックごみの圧縮保管施設と、プラスチック製容器包装の再商品化施設がある。
    前者は柏市廃棄物処理業協業組合が、後者は(株)柏エコプラザが運営主体である。
  • 圧縮保管施設では、プラスチックごみの圧縮・梱包を行っているほか、事業系発泡スチロールの破砕・減容固化も行っている。
    平成15年度の発泡スチロール受入れ量は13,889tであり、板状に成形された発泡スチロールボードは約20円/kg(1枚5kg)程度で販売されている。
  • 吸引ダクト、エアーカーテン、脱臭装置等を設置し、周辺地域への悪臭対策を行っている。
  • 収集プラスチックごみの受入れ・保管場の面積は2,100m2である。

<取り扱っている廃プラスチック>

  • 現在、柏市で収集されているごみは次の6種類に分別されている。
    (※ヒアリング時(2005年2月)は、資源プラスチックとして、容リプラ及び非容リプラを混合収集し、手選別にて分離していた。)
    種類 収集回数
    資源品 古紙類、紙パック類、古着・古布類、PETボトル、びん類、缶類、金属類 毎月2回
    容器包装プラスチック類 容器包装材 毎月4回
    可燃ごみ 台所ごみ、資源にならない紙くず類 毎週2回
    不燃ごみ 小型家具類、ガラス・陶磁器類、皮革製品、有害ごみ、プラスチック製品類 毎月2回
    粗大ごみ、布団類 ベット、机、物干し台等 申込み制
    市が収集できないごみ 家電、引越しごみ、消火器等 申込み制
  • 表のうち、圧縮保管施設で受入れているのは「容器包装プラスチック類」である。
    再商品化施設では、圧縮保管施設でベール化されたプラスチック製容器包装の一部を受入れている。
  • 資源品は柏市再生資源事業協業組合が運営主体である「柏市リサイクルプラザ」に収集される。
  • 圧縮保管施設に収集された資源プラスチック(※)のうち、非容器包装プラスチックの大半は(株)市川環境エンジニアリング(平成15年度)に逆有償で引き渡し、RDF化されている。
  • 圧縮保管施設に収集された資源プラスチック(※)のうち、事業系PETボトルについては、民間業者に売却している。
    (資源品として柏市リサイクルプラザに収集された家庭系PETボトルは帝人ファイバー(株)(平成15年度)に引き渡し、PET樹脂化されていた。)
  • 圧縮保管施設に収集された資源プラスチック(※)には、不燃ごみが約10%、可燃ごみが約5%混入していた。
    注 (※):平成17年4月に分別の一部見直しを行い、「容器包装プラスチック類」として容リプラのみ分別収集している。
  • 廃棄物量が焼却施設の処理量を超えたことから、平成7年よりプラスチックの分別を開始した。このときにはプラスチック製容器包装を特に分別せず、プラスチック類をまとめて市が収集・保管し、民間処理事業者によりRPF化されていた。
    RPFの焼却灰はブロックとして再利用されていた。
  • 平成13年より、柏市でプラスチック製容器包装の分別収集を開始するとともに、柏プラネットも稼働を開始した。
    当時、市民には汚れを落とすことや金属を含むプラスチックごみは不燃ごみとして排出すること等を周知した。
    (注:現在は、非容リプラは「不燃ごみ」、食品汚れの落とせないものは「可燃ごみ」としている。)

<収集>

  • 容器包装プラスチック類は、毎週水曜日(全市一斉)に収集している。収集に使用しているパッカー車、プレス車は可燃ごみ、不燃ごみと同じ車両を用いている。
  • 可燃ごみ、不燃ごみ、資源プラスチックの収集は、市が直営で行っている。
    今後委託に変更してはどうかとの議論がある。

<選別>

  • 12〜14人で手選別を行っており、PETボトル、非容器包装プラスチック、異物を除去している。
    手選別を行っている作業員の労働時間は8h/日である。
  • 異物としては、医療チューブ(自宅療養用)、刃物、布類等がある。最近、プラスチックマークのついたLPG入りのスプレー缶プラ容器(毛染め剤)が頻繁に混入しており、苦慮している。

<圧縮・梱包>

  • 選別したプラスチック製容器包装を圧縮し、PPバンドで結束したうえでベール品(1m×1m×1.4m)としている。
    圧縮梱包機は1台である。
  • 水曜に収集された容器包装プラスチック類は、月曜の午前中までに全て処理される。

<引き渡し先>

  • 平成15年度のベール品引き渡し先は、(株)柏エコプラザに4,721t(マテリアルリサイクル)、(株)ナカムラに769t(岩井市:マテリアルリサイクル)、ジャパンリサイクル(株)に602t(千葉市:ガス化)であった。
    平成16年度の引き渡し先は(株)柏エコプラザとジャパンリサイクル(株)であった。平成17年度は(株)柏エコプラザ、平成18年度は(株)柏エコプラザとジャパンリサイクル(株)の予定である。

<その他>

  • 平成17年4月より、プラスチック類の分別を「資源プラスチック」から「容器包装プラスチック」に変更し、プラスチックマークの付いているもののみを資源として収集している。
    容器包装以外のプラスチック製品(プラスチックマークの付いていないもの)は不燃ごみとして、プラスチックマークは付いているが汚れの落としにくいものは可燃ごみとして排出するよう周知している。
  • 同時期(平成17年4月)に可燃ごみおよび容器包装プラスチック類の指定袋による排出も導入した。
    なお、この指定袋は市民の目に見える形でのリサイクルを目的とし、プラスチック製容器包装の再生品を用いることとしている。
  • 上記のプラスチック分別区分の変更と指定袋の導入については、すでに100ヶ所(約10,000人)で説明会を実施した。
  • 現在は市民に軽く洗ってから排出するよう周知しているが、下水の処理負担と廃棄物の処理負担のどちらを優先すべきなのかという質問が市民から多く寄せられている。

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