2009年9月7日号
化審法の改正野馬幸生
2007年6月18日号「化学物質を管理するということ−欧州の新たな化学物質管理法−」や2009年9月7日号「新たな化審法第一種特定化学物質を含有した廃棄物の適正処理」で紹介されているように、日本における化学物質管理の柱となる法律「化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)」が改正され、2009年5月20日に公布されました(施行は2010年4月(一部2011年4月))。製品に使用される化学物質は、いずれ廃棄されることから、化審法は、リサイクル・廃棄物処理分野にも大きく関係する法律です。 ここでは、主な改正ポイントについて紹介したいと思います。 すべての化学物質について、一定数量(1トンを予定)以上の製造・輸入を行った業者に対して、毎年度その数量等を届出する義務を課す(改正前は、特定の化学物質のみ)。 上記の届出内容や有害性に係る既知見等から、優先的に安全性評価を行う必要がある化学物質を「優先評価化学物質」に指定する(化学物質の分類の変更)。 規制の対象を「環境中で分解しやすい化学物質」についても対象とする(改正前は「分解しにくい化学物質」だけが対象)。 必要に応じて優先評価化学物質の製造・輸入業者や取り扱い事業者に対して、有害性情報や使用用途の報告を求める(改正前は、新規化学物質の有害性等情報のみ)。 高分子化合物を追加する。 リスク(有害性や環境残留量など)による一次評価を実施する。 流通過程における情報伝達の義務を追加する。 国際条約等との整合化をはかる。 この改正の一部(例えば、やなど)は、数万種類ある「既存化学物質」に係る問題点(2007年6月18日号「化学物質を管理するということ−欧州の新たな化学物質管理法−」参照)の対策強化を目的としています。いずれの改正も、化学物質をより安全に使えるように、また、ある化学物質に問題があるとわかった場合、対策がより早期にできるような方向になっています。 化審法改正の詳しい情報は、環境省などのホームページから入手・確認できます。(http://www.env.go.jp/chemi/kagaku/kaisei21.htmlなど) |
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