2007年2月5日号
家電リサイクル法−「料金」の違いと「行き先」の違い村上理映
皆さんは、家電販売店に行った時に、「家電リサイクル法」という文字を見たことがありますか?これは、家庭で不要になった使用済み家電(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン:家電4品目)を対象とした法律です。 この法律では、消費者、販売店、生産者の全てが、役割を分担して、使用済み家電のリサイクルに取り組むことが定められています。 消費者は、「収集運搬料金(使い終わった家電を運ぶためのお金)」と、「リサイクル料金(リサイクル工場で処理するためのお金)」を払うことが決められています。 販売店は、使用済み家電を引き取った後、それらがまた資源として利用できるように処理するためリサイクル工場に運搬します。生産者である家電メーカーは、リサイクル工場を責任を持って運営します。収集運搬料金は、販売店が必要な額として自由に決めることができます。 その金額は、店舗の規模によっても違いますし、その店舗で家電を買い替えるか、単に使用済み家電を捨てる(単純廃棄)か、によっても違う金額が設定されています(表1)。 一方、リサイクル料金は、家電メーカーが決めています。この金額も各メーカーがリサイクルの内容に応じ自由に設定できるのですが、ほとんどのメーカーが結果的に同じ金額を設定しています(表2)。ただし1月15日に、1社がエアコンのリサイクル料金を3,150円に下げることを発表してからは、各社がエアコンのリサイクル料金の引き下げを検討しています。 このように「家電リサイクル法」の下では、捨てる家電の品目によってリサイクル料金が違いますし、買い替えるか単純に廃棄するかによっても、また販売店によっても、収集運搬料金が違っているのです。 http://www.env.go.jp/council/03haiki/y0311-05.html ところで、販売店が回収した使用済み家電は、この法律の下でリサイクルされますが、全ての使用済み家電が、販売店に引き渡され、法律の仕組みに沿ってリサイクルされるわけではありません。では、「残りの使用済み家電」はどこに行くのでしょうか? 「残りの使用済み家電」の一部は、国内のリサイクルショップで販売されています。また別の一部は、中古品または処理する前の資源として輸出されていますが、輸出先でどのような第二の人生を歩んでいるかは、正確にはわかっていません。誰かの役にたっているかもしれませんが、処理される時に環境に負荷を及ぼしているかもしれません。 このように、家庭で不要となった家電すべてが「家電リサイクル法」の枠の中でリサイクルされているわけではなく、違うルートをたどることもあるのです。 なぜ、法律で決められているのに、それとは違うルートをたどるようなことが起こるのでしょうか?「コクサイシゲンジュンカン?」を読んで理由を考えてみてはいかがでしょう。 |
||