循環型社会・廃棄物研究センター オンラインマガジン『環環kannkann』 - その他
2009年8月24日号

循環センター 2009年夏の大公開

成岡朋弘
家電製品の解体中…

 毎年恒例となっております夏の大公開が今年も7月25日(土)に開催されました。今年の循環センターの主な企画・展示は、家電製品の解体体験、熱処理プラント室および最終処分プラント室の公開、排水の処理と資源の循環に関する展示、そして、全ての展示スペースをくまなく散策してもらう探検クイズでした。

 家電製品の解体体験では、テレビやパソコン等の家電製品を実際に解体していただき、内部にどのようなものが含まれているのか、また、何がどうやってリサイクルされているのか見ていただきました。普段から使用している家電製品も、内部の構造をじっくりと見ることはないと思いますので、驚きの発見があったのではないかと思います。

大型の実験プラントの公開と関連する研究の紹介

 熱処理プラント室と最終処分プラント室では、大型の実験プラントの公開と関連する研究の紹介を行いました。熱処理プラント室では、実際の廃棄物焼却炉の構造をそのまま小型化した実験焼却炉の説明や、ごみを溶融処理した際に生成する溶融スラグに関する展示、未利用の廃油脂類から合成したバイオディーゼル燃料(BDF)に関する展示、および超高速BDF合成法について説明を行いました。BDFは軽油の代替燃料として期待されているだけに、来場者が熱心に説明に聞き入る姿が見られました。また、埋立処分プラント室では、実際に処分場に埋め立てられる廃棄物を充填して実験を行う埋立処分シミュレータについての説明を行うとともに、レーザーメタン計を使ってメタン濃度を測定するゲームを通じて廃棄物処分場から発生するメタンガスに関する説明を行いました。

排水の処理と資源の循環に関する展示

 排水の処理と資源の循環に関する展示では、日常生活に密着した問題である生活排水などの処理方法として、微生物や土壌、植物などを活用した処理技術である人工湿地、水生植物浄化、傾斜土壌処理、浄化槽、リン回収・利用などとその効果に関する展示と説明を行いました。会場には水生植物による水の浄化システムが大型水槽を用いて再現され、来場者の注目を浴びていました。

マスコット「ゆうぞう」

 また、今年度は、昨年の夏の大公開に行って好評を得た「環環検定」をオリエンテーリング形式に発展させた「探検クイズ:循環・廃棄物研究棟の秘密を探ろう!」を行いました。環環より厳選した全20問のクイズを、循環センターのマスコットである「ぐっちー」と「ゆうぞう」をはじめ、クイズの内容と関連がある展示を行った展示室内やプラント室内、廊下など様々な場所に分散して掲示しました。受付で配布した回答シートには、クイズの掲示場所のヒントが書かれており、来場者は、そのヒントをもとにクイズを見つけ出してクイズに回答する形式としました。回答シートは4×4のマス目に、全20問のクイズのうち16問の番号がランダムに記載され、来場者はビンゴ形式で縦、横、斜いずれか4問全問を正解すれば、『GOMI博士』の称号とともに角帽をかぶっての記念写真を手にすることができました。クイズは少々難解な問題が多かったかもしれませんが、小さなお子さんが自力で答えようと必死に考え込んでいる姿が各所にみられました。また、スタッフ達からのヒントによって見事GOMI博士の称号を手にされた方も多かったのではないでしょうか。

 最後に今年も多くの皆様にご来場いただきました。感謝いたします。来年の夏の大公開も有意義な展示を企画いたしますので、よろしくお願いいたします。

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