毎年恒例の国立環境研究所夏の大公開が「来てみて触ってエコチャレンジ!」と題して7月22日(土)に開催されました。当日は循環棟受付の温度計では40℃を超える暑さとなりましたが、5,486名の皆さんにご来場いただきました。
資源循環・廃棄物研究センター(以下、循環センター)では、「Mission資源を回収せよ!2」をテーマに企画・展示を行いましたので簡単に内容をご紹介します。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)は、東京オリンピック・パラリンピックで使用する約5000個のメダル製作にリサイクル金属を活用する予定です。そこで、つくば市と連携し、東京2020組織委員会主催の「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」(*1)のイベント回収として各家庭に眠っている使用済み小型家電製品の回収を行いました。また、イベント回収に合わせて、環境省より講師をお招きしたミニ講座ではプロジェクトの概要や回収の方法などにについてご紹介いただき、約170名の皆さんに参加いただいています。(写真1)
会場にはつくば市のイメージキャラクタ―であるフックン船長や小型家電普及キャンペーン(*2)の「ウィーアーコガタカデンズ」のキャラクターの1つであるスイハンタケオも参上し、約800名の皆さんに来場いただきました。たくさんの皆さんに金属資源のエコリュックサック(金属を1グラム使用する際にどれくらいの土砂等を掘る必要があるか(写真2))の重さを体験していただくとともに、「My都市鉱山バッグ」をお持ち帰りいただいて携帯電話などの回収を呼びかけました。(写真3)
熱処理プラント実験室にある実験用焼却炉等の説明や関連する研究内容の紹介、都市ごみ溶融スラグ、小型家電などの展示のほか、ごみの熱処理実験や廃家電処理に関する映像紹介を行いました。展示パネル、廃家電の現品をご覧いただき、国内や途上国での廃家電のリサイクルの状況、溶融スラグの再生利用について学んでいただきました。(写真4)
最終処分プラント実験室に設置されている大型ライシメーター(模擬埋立処分実験装置)の説明や研究内容の紹介を行いました。また、廃棄物埋立地に関するクイズを解きながら、埋立地の仕組みを学習していただきました。クイズ参加者にはアジア地域や国内の処分場や試験サイトの風景等を印刷したオリジナル透明しおりやカードを400枚配布し、廃棄物埋立地の様子を知っていただきました。(写真5)
微生物を利用した生活排水や有機性廃棄物などの処理・循環利用技術に関する展示と説明を行いました。また、浄化槽のミニチュアモデルや、汚泥からつくられたコンポスト、回収リンなどの展示を行い、液状廃棄物の処理、資源回収について理解を深めていただきました。(写真6)
来場者の方に、廃ペットボトルを使って身近な小物を作る企画を体験していただきました。炭酸飲料に使われた廃ペットボトルの断片に模様やイラストを描き、オーブントースターで加熱してビーズを作り、事前に準備していた紐に取り付けてストラップを完成していただきました。300名ほどの皆さんに体験いただきましたが、残念ながら体験いただけなかった皆さんには、作り方の説明書とサンプルのビーズをお持ち帰りいただきました。近年、ペットボトルは軽量化(薄肉化)が進められていますが、ビーズ作りには炭酸飲料用の肉厚のペットボトルが適しているようです。インターネットで検索すると、他にも廃ペットボトルを利用した小物も作りが多数見つかりますので、色々と試してみてください。(写真7、8)
今年の夏の大公開も多くの皆さんに楽しんでいただきました。来年も楽しんでいただけるように、そして、私たちの研究活動をより深く知っていただけるように準備したいと考えています。またのご来場をお待ちしています。