突然ですが、20年後、自分の容姿はどうなっていると思いますか?20年後の自分の容姿を想像するときは、今の自分の骨格に、筋肉や姿勢、肌の変化など経年の傾向をのせて、正確に当たるかはわからないけれど、ある程度20年後の鏡の向こうの自分が見えて来ませんか。一方で、今一緒に仕事・勉強や趣味などの活動をしているメンバーとの20年後の付き合い方の予測は、各人の居住地の移動やそれぞれの間柄の変化などの変動幅の大きな出来事が含まれ、容姿の想像に比べて、かなり難易度が上がるのではないでしょうか。
環境問題に関わる予測には、気象変化・温室効果ガス排出・エネルギー資源消費など、幅広いテーマがあります。予測の方法は多数ありますが、過去の情報をもとに将来を考える場合は、20年後の自分を想像するときと似ていて、長期的な動向や周期といった過去のデータの特徴と、技術革新・国際情勢や災害などの時々刻々と起こるイベント・現象を反映する変動成分とを合わせて予測する手法が使われることが多いです。温室効果ガス排出量やエネルギー資源消費の予測において、変動成分には、一人一人の働き方や余暇の過ごし方、個人の価値観なども含まれ、私たちが何を選択して消費するかが地球環境のこれからを変えるということを意味しています。また最近は、一通りの将来を決定するような方法ではなく、複数の条件をおいて、条件ごとに将来像やその将来像に至る道筋を描くアプローチが増えてきました。したがって、様々なメディアで報道される地球環境の将来像は、誰かが考えたある条件に基づく予測結果です。さらに、環境問題における予測では、過去の傾向を延長して将来を描くだけではなく、COP21の約束草案のように達成しなくてはいけない目標があります。資源消費の変化や生産体制の改善などの変動成分を反映しつつ、目標設定時の将来像に近づけるように新しい対策を考え、随時、将来像を予測する必要があります。
異常気象や海面上昇などから地球環境の変化を感じつつ、消費者として環境の将来を変えていく選択肢を考えていきましょう。
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