バイオガスシステムは、家畜糞尿や生ゴミ等の有機性廃棄物を密閉タンク内で 発酵処理させる技術です。代表的な発酵タンクは図1に記載されているような構造で、コンクリートまたはプラスチック製であり、中国では1台あたり約2000元(約2万5千円)で建設できます。図1のタンク左に示す投入口はトイレや厩舎(きゅうしゃ)と管路で接続されており,原料である排泄物が自然流下で投入されます。8~12m3の容量のタンクは一日あたり最大で乾燥重量4~8kgの原料を受け入れることができ,乾燥重量1kgの原料からは,0.2~0.4m3のバイオガスが回収できます。発酵後の残渣は図1の右に示す流出口からくみ出します。これは一部で肥料や養殖魚のえさとして利用できます。
発酵タンクから生成したバイオガスは,約60%のメタンと約40%の二酸化炭素から構成され(原料によって各濃度は±10%変動する),1m3あたりの熱量は6000kcal (高位)であるため,日本における地方都市ガスの6A規格と同質のガスです。私たちが普段使っているような都市ガス機器も,上記バイオガスを燃料として使用することができます。一般的に,バイオガスはガス管を通して屋内まで輸送され,家庭内で様々な用途に利用されます。特に,ガスコンロやヒーターの燃料として使用されます。