
どうする?ブラウン管テレビのリサイクル
ブラウン管ガラスの行方
2011年7月24日に地上アナログ放送が終了しました。これに伴い、ブラウン管テレビの不法投棄が増えているというニュースも目にするようになりました。
不要になったブラウン管テレビは、家電リサイクル法に基づいて適正な処分が求められていますが、ブラウン管のガラスがどのようにリサイクルされるかはご存じでしょうか。
ブラウン管ガラスは、家電リサイクル工場において、前面の透明なパネルガラスと、背面にあって鉛を含むファンネルガラスに分割した後、5cm角の小片(カレット)になるまで砕いて、ガラス表面の付着物を取り除き、精製カレットにします。日本ではブラウン管ガラスカレットが年間8万トン程度発生し、その大半はマレーシアのブラウン管製造工場へ輸出されています。しかし、新しいブラウン管テレビの需要は世界的に減少しているため、ブラウン管ガラスカレットを新しいブラウン管にリサイクルする水平リサイクルが困難になりつつあります。
新しいリサイクル方法
平常時の行政上の意思決定は、平常時の「社会のバランス」の下に定められた法制度等に基づいてなされます。しかし非常時には、その「社会のバランス」が崩れ、優先すべき事項が変わるので、判断基準・ルールを柔軟に見直すことも必要になります。
放射性物質に汚染された災害廃棄物の問題を例にします。「放射性廃棄物」か「通常の廃棄物」かの線引きを「クリアランスレベル」と言いますが、今回の原発事故により、クリアランスレベルを超える大量の災害廃棄物や上下水汚泥が発生しました。しかし、平常時に決められたクリアランスレベルは極めて安全側の低いレベルを設定しており、非常時にそのまま適用すると社会が立ち行かなくなるという事態になりました。ちなみに、クリアランスレベルは10μSv/年、放射性セシウムの濃度だと0.1Bq/gであり、最近原子力安全委員会が許容限度の目安として示した1mSv/年に比較して1/100の極めて低いレベルです。そこで国では、非常時の判断基準を新たに設定して、安全安心を確保した上で適切な処理を進めようとしています。このような対応は、非常時にはある部分仕方ないことだと思いますし、元の状態に戻ったらまた「平常時モード」にリセットすればよいのではないでしょうか。
ただ、非常時において新たな判断基準のもとに意思決定を行っていくことは、経験知が乏しい状況では大変勇気がいることです。しかし、誰かがそのリスクを背負い決断しなければ、前に進むことは出来ません。また、決断がどうしてもできない場合は、試行的な取組を先行して行うことが有効だと思います。試行により課題を見つけてそれを改善し最も適切な方法を見出して進めていくことが、迅速に物事を進める良い手段になります。今回の震災においては、意思決定に関わる人たちが、このような決断力に欠けている面もあったことは否めないと思います。
「非常時の対応力」について、ある意味で自省として述べました。これからの取り組みに生かしていきたいと思います。


