けんきゅうの現場から
2017年9月号

災害が起きる前にできる災害ごみ対策
(D.Waste-Netによる人材育成支援)

川畑 隆常

災害時に大量に発生する災害廃棄物の処理について被災自治体を支援する枠組みであるD.Waste-Net(ディー・ウェイスト・ネット、災害廃棄物処理支援ネットワーク)は、災害廃棄物の処理が適正かつ迅速に行われるよう支援を行います(2017.6豆知識「災害廃棄物処理に係る現地支援」)。さて、実はD.Waste-Netには期待されているもう一つの重要な機能と役割がありますが、それは災害が起こっていない「平時における支援」です。ここではその重要な柱の一つである「人材育成」について少しご紹介したいと思います。

写真:熊本地震で発生した災害廃棄物処理の現地視察・研修会の様子 熊本地震で発生した災害廃棄物処理の現地視察・研修会の様子

自治体では、何かの災害が起きる前、つまり平時から災害時にもスムーズな対応が取れるように、予め計画(災害廃棄物処理計画)を作ることに加え、臨機応変な対応ができる人材を育成しておくことが国の指針でも大変重要な備えであるとされています。人材育成の有力な手段のひとつとしては研修がありますが、災害廃棄物処理の分野に関してはまだ研修手法が確立されたとは言えない状況です。そこで国立環境研究所では、自治体と連携し、研修内容の手法を議論、実践しながら研修手法を開発することを進めています(兵庫県との連携事例)。また、今年(平成29年)の1月と7月の2回にわたって全国各地から参加された33名の自治体職員向けに、昨年4月の熊本地震の発災以来災害廃棄物処理が続けられている現場に赴き、処理状況や現地担当者の対応状況などを、参加者自身の眼と耳で実感し、理解することができる研修を企画・実施したところです(研修の様子)。他にも、これから災害廃棄物分野の人材育成に取り組もうとする自治体や民間企業等の方々向けの分かり易い手引きとして、「災害廃棄物に関する研修ガイドブック」シリーズを作成し、ホームページにて公開しています。

このような平時の支援が自主的な活動として全国的に水平展開され、各地・各主体で培われた英知・ノウハウが再び全体のために還元されながら、自治体の災害対応力の向上が図られていくよう、これからも努力を続けて参りたいと思います。

イラスト:じゅん

本年(平成29年)7月九州北部豪雨災害においてもD.Waste-Netの一員として国立環境研究所から職員が派遣され、現地支援に重要な役割を果たして参りました(支援の様子)。

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