循環型社会・廃棄物研究センター オンラインマガジン『環環kannkann』 - その他
2010年5月10日号

循環センター 2010年春の一般公開

小島恭子

環環ナビゲーター:りえ 国立環境研究所「春の環境講座」が4月17日(土)に開催されました。当日は、まさかの雪という生憎の天気でしたが、午後から天気も回復し、大勢の方にお越しいただきました。

 今回も例年通り、講演を中心とした催しでしたが、そのトップバッターとして、循環センター物質管理研究室の肴倉研究員が「家電製品のリサイクル〜技術と制度のしくみと課題〜」と題した講演を行いました。午前中の早い時間にもかかわらず、多くの方が聴講してくださいました。

 講演の内容は、家電製品のリサイクルについて、技術面と制度面の2つの側から、そのしくみと課題について説明するというものでした。

写真:講演の様子 私が特に興味深く感じたのは、分離回収の方法についての説明でした。「リサイクル」という言葉は知っていても、実際にどのような方法で金属を回収しているか知っている方は、そう多くはないのではないでしょうか。この講演では、工場に引き取られた家電製品がどのように破砕され、そして分離・選別されるのか、その方法や特徴について、多くの写真を使って説明がなされました。より良いリサイクルを行うために分離回収することが重要なこと、そのために様々な技術が導入されていることが分かりやすく説明されました。また、今後使用済み電化製品をどのように回収するのがリサイクルに効果的かといった説明もありました。

 講演は様々な年代の方が参加してくださいました。メモを取ったりするなど、真剣な表情で聴いてらっしゃったのが印象に残りました。今回の講演がみなさんの興味を満足させる内容であったら、とても嬉しく思います。

 また、別会場では、講演に関するポスター展示も行いました。こちらも講演と同じく、熱心に説明に耳を傾ける方が多くいらっしゃいました。ポスターの前で、長いこと研究者と話し込む来場者の姿も見られました。

写真:家電製品の解体物の展示

 ポスターの他に、実際の家電製品の解体物の展示も併せて行いました。普段見る機会のないものだけに、多くの方の注目を集めていました。家電製品中のどの部分に、どのような金属が使われているかということを実際に見ることができ、なかなか面白い体験できたのではないでしょうか。

 今回、ブラウン管テレビやノートパソコン、携帯電話などの解体物が展示されましたが、来場した子供たちの一番人気は、小型ゲーム機の解体物でした。身近なゲーム機にも様々な金属が含まれていることを知り、驚きの声をあげていました。有用な金属を回収し、有害な物質を管理するためにも、きちんとリサイクルすることが大切だという研究者の説明にも、熱心に聞き入っていました。

 次の一般公開は7月に開催されます。多くの方により関心を持っていただけるよう、様々な角度から研究成果をお伝えしていきたいと思います。どうぞお楽しみに。

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