2007年8月6日号
循環センター 2007年夏の大公開朝倉 宏
国立環境研究所では、4月の科学技術週間と7月の年2回、所外の方に研究所の活動を知っていただくために、一般公開を行っています。今年も、2007年7月21日(土)に、夏の大公開が開催されました。全所の大部分が公開され、各研究分野を回って集めるスタンプの数は16にのぼりました。 ここでは特に、わが循環型社会・廃棄物研究センター(以下、循環センター)の報告をします。 1.展示室
お買い物を通して、その商品が作られるときに発生する産業廃棄物の量と種類を体験できる「Wasteダイエットショッピング」が目玉でした。例えば、牛乳を買って飲むと牛乳パックが出ますが、このゲームを通して「牛乳をつくるときに出てくる産業廃棄物」など、 家庭では目に見えない廃棄物の量を知ることができます。廃棄物を出さない生活を目指しつつ、どうしても廃棄物が出てしまう場合には、「もったいないと思う気持ちを大切に、買った物は使い切る」ことを知っていただけたと思います。 2.熱処理プラント室
熱処理プラントでは、実際の廃棄物焼却炉とほぼ同じ構造を持つ小型焼却炉を設置し、廃棄物の焼却処理の際に発生する毒性物質を抑制する燃焼条件や、排ガス処理による除去効果を検証しています。小型焼却炉は、運転中は高温になることによって、燃焼室外壁が透けて内部が見えることが特徴です。 今まではパネルでの説明でしたが、今年度は実際の燃焼室内部をあらかじめ撮影し、その様子をビデオで見ていただきました。 3.最終処分プラント室
埋立地内部の様子を観察出来るように、埋立地内部を掘りぬいた「コアサンプル」を展示し、どんな廃棄物が分解するのに時間がかかるのか見ていただきました。また、埋立地汚水の処理水の安全性を迅速に判定する方法を開発するために飼われている生物(ミジンコ、トビムシなど)を新しく展示しました。 さらに、広大な埋立地ですばやくメタンガスの噴出ポイントを調べるために使っているレーザーメタン計で、メタンガスが入った袋を見つける的あてを催し、メタンガスを探知する調査方法を知っていただきました。(地球温暖化にメタンガスが影響することから、当研究所では、埋立地で発生するメタンガスの量を調査する研究を実施しています。)
今年度は新しい展示物と企画が登場し、廃棄物問題がますます身近に感じられたことと思います。皆さんも来年、是非またご参加ください。より良い展示内容とするために、皆さんのご意見、ご感想をお待ちしています。
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