![]() 2011年1月11日号
ITO(インジウムスズ酸化物)藤森 崇
普段何気なく見ているテレビやパソコンのフラットディスプレイに、インジウムスズ酸化物(ITO)と呼ばれる無機化合物が使用されていることをご存知でしょうか。希少金属(レアメタル)のひとつであるインジウムの用途の内約8割が、このITOとしてフラットディスプレイ内に利用されています。なぜITOが必要かというと、透明であり、かつ電気を通すという2つの性質を併せ持っているためです。ITOの「透明導電膜」によって、薄い画面から快適に視聴することができるのです。
みなさんもご存じの通り、2011年には地上デジタル放送への完全移行が予定されており、フラットパネルの使用はより一層多くなると見込まれます。ITO以外の透明導電膜の開発も進んでいますが、この先数年間ITOの需要は維持されると考えられています。ITOに限らず、化学物質の適切な使用のためにも、負の側面も含めた環境配慮型の研究評価をしていくことが必要です。 |
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