循環型社会・廃棄物研究センター オンラインマガジン『環環kannkann』 - 循環・廃棄物のまめ知識
2009年9月28日号

RDFとRPF

川本克也

 RDF (Refuse Derived Fuel)とRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)は、いずれも廃棄物を原料とし、これを円柱形状に固形化して製造される燃料です。両者の違いは原料の違いであり、RDFは厨芥を含む一般廃棄物が主であり、水分や塩素分が高めです。RPFは主に産業廃棄物の紙と廃プラスチック類を原料とし、組成が比較的均一です。RDF製造工程の概略は、原料廃棄物を破砕・乾燥(350〜500 ℃)し、金属等の不燃物を除去した後、圧縮成形するという流れです。圧縮成形の段階で腐敗防止のため消石灰等が添加されます。RPFは、RDFより工程が単純で、破砕・選別と圧縮成形により製造されます。このため、RDFの製造では、集じん、脱臭、乾燥工程排ガス処理、添加剤供給など比較的多くの付帯設備を必要とします。

写真 RDFの外観例

 つくられる製品のサイズは、RDFで直径10〜50 mm、RPFで直径6〜50 mm、長さが10〜100 mmです(写真はRDFの外観例)。製品の発熱量はRDFが12,000〜20,000 kJ/kg、RPFが20,000〜40,000 kJ/kg程度であり、RPFは石炭やコークス相当の発熱量をもっています。

 ごみのRDF化は、一時期ダイオキシン類問題を背景に、脱焼却等の観点から一般廃棄物処理施設に採用され、長期保管や輸送が容易で、高発熱量の比較的均質な燃料として期待されました。しかし、利用施設は通常の焼却施設と同様の排ガス対策を行わなければならないこと、製造コストがかさむこと、貯蔵時の安全対策面での配慮不足等があり、発熱事故さらには発火による重大事故等があったことから、施設の新設は近年ありません。ただし、貯蔵施設のモニタリングと窒素ガス注入などの安全対策を施し、効率の高い発電設備を備えたRDF焼却施設が稼働している例もあり、いわゆるサーマルリサイクルに一役買っているとも言えます。一方、RPFは異物が少なく高発熱量であること、原料混合比の調整により発熱量を調節可能であること等から、燃料として工場等での需要が高まっています。

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