2008年9月8日号
カーボンフットプリント南斉規介
イギリスのあるスーパーでは、「CO2は75グラム」と書いたラベルの付いたお菓子が売られています(HP参照)。 これは、このお菓子について、中身と包装を作り、食べた後のごみを処理するために、75グラムのCO2が排出されることを示しています。 この値は、ライフサイクルアセスメント(2007年7月2日号「ライフサイクルアセスメント」参照)によるCO2排出量であり、 日本でもエコリーフなどタイプIIIと呼ばれる環境ラベルがついている製品であれば、CO2を含め多種の環境負荷量を知ることができます。 デジカメやプリンタにもついていますが、消費者が買う機会はそう多いものではありません。 しかし、イギリスではCO2だけを対象に、排出量を「カーボンフットプリント」として、特に食料品や日用品のような消費者の購入機会が多いものについて、分かりやすくラベルとして表示したことが注目を集めました。 カーボンフットプリントラベルを見ることで、消費者はCO2排出のより少ない商品を選択することができます。 CO2排出の少ない商品が選択されるようになれば、メーカーにも排出量を削減する動機が強くなり、技術開発も進むでしょう。 カーボンフットプリントラベルが消費者とメーカーが一体となってCO2排出の少ない社会を作るためのよい仲介役になることが期待されます。 日本でもカーボンフットプリントの表示について検討が始まりました。 計算の仕方、結果の精度保証、CO2削減に効果的な表示方法など検討すべき課題もありますが、近い将来、食品のカロリー表示並みに身近になるかも知れません。 家計由来のCO2排出量のうち、15%が電気、14%がガソリン、そして13%は食料品の購入によるものです。 省エネ機器、低燃費車、小フットプリント食品の選択は、着実に排出削減に繋がります。ただし、食べ終わった容器の捨て方でフットプリントは変わりますので、ご注意下さい。 |
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