循環型社会・廃棄物研究センター オンラインマガジン『環環kannkann』 - 当ててみよう!
2010年9月21日号

廃棄物最終処分場の遮水工

解答 [Answer]
遠藤和人
【答え】 [3] 二重の遮水シート
【解説】

答えは二重の遮水シートです。遮水シートは、工場で生産されるため製品の品質も安定しており、取り扱いが容易なことから、廃棄物最終処分場の遮水工として最も多く使用されています。遮水シートは、ため池や公園の池の下にも用いられており、実績が多いことも理由の一つです。広い処分場全体を遮水シートで覆うためには、継ぎ目ができてしまいます。この継ぎ目は、工場ではなく現地で接合することになります。継ぎ目をきちんと接合しないと、汚水が漏れてしまうため、各現場で念入りに接合され、接合状況を検査しながら設置されています。

コンクリートは、大変丈夫なイメージがありますが、ひび割れ等が発生する可能性があるため、遮水工としては用いられません。強度としての丈夫さと、遮水という丈夫さは別物です。

粘土と遮水シートは二重の遮水シートの次に多く用いられている遮水工です。粘土は天然の鉱物でできていますので、時間とともに劣化することがなく、長期的な耐久性に優れた材料といえます。しかし、工事中に雨に濡れたり、現地での設置に時間を要するなど、工事の面でのデメリットがあるため、それほど多くの処分場で採用されていません。また、日本の粘土では、それほど透水係数が小さくならないため、ベントナイトと呼ばれる微粒子粘土を混合して遮水工が作られることが一般的です。ベントナイトは水と接触すると膨らむ性質があることから、破損部を自ら修復する機能があり、非常に優れた遮水工の材料として知られています。


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