2010年4月19日号
産業廃棄物の埋立地の種類小口正弘
【答え】
燃えがら
【解説】
産業廃棄物(事業活動に伴って出る廃棄物)のうち、安定5品目と呼ばれる廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラス・コンクリート・陶磁器くず、がれき類は、「安定型処分場」という素堀り構造の埋立地にそのまま埋め立てることができます。これらの廃棄物は雨に濡れても腐敗・分解せず、汚濁物質が発生することがないので、安定型処分場には浸出水を外部へ漏らさない構造(遮水工)や浸出水の処理設備がありません。ただし、定期的に地下水の検査がされていますし、埋め立てる廃棄物の中身は厳しく検査されることが義務付けられています。しかし、一部の処分場で安定5品目以外の廃棄物の混入や有害物質の排出があることが指摘されており、安定型処分場のあり方には様々な議論があります。 安定5品目以外の産業廃棄物のうち燃えがら、汚泥、ばいじん、鉱さいなどについては、溶出試験という試験を行い、特定の有害物質の溶出濃度が基準を超えるものは「遮断型処分場」という最も厳重な構造の埋立地に入れられます。遮断型処分場はコンクリートの仕切りで外部と遮断され、屋根をつけて雨が入らないようになっています。雨が入らないので浸出水が出ず、処理設備は不要ですが、地下水の検査は行われています。 安定型、遮断型に埋め立てる産業廃棄物以外の廃棄物は「管理型処分場」という埋立地に埋め立てられます。管理型処分場は安定型と遮断型の中間のような構造で、廃棄物は雨と接触しますが、埋立地の底に二重構造の遮水工(二重の遮水シートや粘土と遮水シートの組み合わせ)があり、浸出水は一箇所に集めて処理されています。 なお、この使い分けは産業廃棄物についてのみで、家庭ごみなどの一般廃棄物は、中身に関わらず管理型処分場と同じ構造の埋立地に埋め立てられています。 |
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