2008年9月22日号
ラムサール条約
1971年にイランのラムサールで開催された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」において「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が採択されました。この条約は開催地にちなみ、一般に「ラムサール条約」と呼ばれています。 ラムサール条約は、湿地の保全に関する国際条約であり、水鳥を食物連鎖の頂点とする湿地の生態系を守る目的で、1971年に制定され、1975年発効しました。1980年以降、定期的に締結国会議が開催されています。2008年3月現在の締結国は158ヶ国、登録地数は1,720ヶ所です。日本は1980年に署名し、平成17年11月の第9回締約国会議では20カ所の国内湿地が新たに「国際的に重要な湿地に係る登録簿」に登録され、登録地は現在までに合計33カ所となっています。 本条約は、多国間環境条約の中でも先駆的な存在であり、現在では広く用いられるようになった持続可能な利用(Sustainable Use)という概念を、その採択当初から適正な利用(Wise Use)という原則で取り入れています。同条約では、対象とする湿地を「天然か人工か、永続的か一時的か、滞水か流水か、淡水、汽水、鹹水かを問わず、沼沢地、湿原、泥炭地または水域を言い、低潮時の水深が6mを超えない海域を含む」と定義しています。 |
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