2008年4月21日号
ほとんど (少しずつが増えている)
ごみの中に含まれる銅、亜鉛、鉛などの金属は、有用な資源として価値を持つもの、有害な物質として管理が必要なもの、そして、その両方のものがあります。そのため、一連のごみ処理の流れの中で、これらの金属がどこへどのくらい流れているかを把握することが、有用資源の確保と有害物質の管理の面で大切です。 可燃ごみは家庭から出されるごみの大部分を占めますが、一般的な処理の流れとそれに伴う金属の流れは次のようになります。可燃ごみは、清掃工場に運ばれて焼却処理されます。このとき、プラスチック、木、紙などは燃えて燃焼ガスになり、ガラスや陶磁器などは燃え残って焼却灰となります。 また、細かい焼却灰粒子(ばいじん)は燃焼ガスに巻き上げられて、集じん装置に集められて焼却飛灰となります。この中で、可燃ごみに混入していた針金や釘などの鉄のかたまりは、焼却灰から磁石によって分離回収されます。一方、銅、亜鉛、鉛などの微量な金属のほとんどは、磁石では回収されず、 また、燃焼ガスになったとしても冷却されて集じん装置に集められるので、結局は焼却灰または焼却飛灰の中に入ったまま埋立処分され、埋立地の中にとどまります。 冒頭で述べたように、金属は資源性と有害性の両方の側面を持ちます。微量でも、資源が埋立地に埋もれてはもったいないですし、有害なものが埋立地の中に閉じこめられていると、その埋立地を誰かが掘り返さないかなど、長い間、何かしらの管理をしなければならないので、二重の問題を抱えていることになります。 この問題を解決できる方法として、溶融処理が期待されています。溶融処理は、ごみや焼却灰の溶融スラグ化により、建材として有効利用できることで知られていますが、銅、亜鉛、鉛などの金属は溶融飛灰や溶融メタルに分離濃縮されるため、精錬会社で金属資源としてリサイクルしてもらうことが可能です。コスト等の課題はありますが、既に幾つかの自治体はこの方法を採用しており、その数は少しずつ増える傾向にあります。 |
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