2008年6月9日号
金
エコリュックサックとは、人間が使う製品やサービスを提供するために動かされた自然界の物質量のことで、潜在的な環境影響を示す指標として、ドイツのWuppertal研究所のF.シュミット=ブレーク氏が提唱した指標です。 このエコリュックサックには、鉱物資源の採掘に伴って掘り起こされた土石の量や、利用した水の量なども含まれます。指標の数値について、日本では物質・材料研究機構が算定しており、金属元素を1トン得るために関与する物質の量をTMR(Total material requirement)として算定しています。 この推計によると、1トンあたりの金(Au)のTMRは、1,100,000トンと見積もられています。これは、鉄(Fe)のTMRである8トンと比較すると膨大な量である事がわかります。テレビなど電気電子機器に含まれる金は、たとえ微量でも、エコリュックサック的に考えると無視できない物質のため、リサイクル等による有効利用が重要になります。 このように、今後、リサイクルを考える上では、目の前の量だけでなく、背後にあるエコリュックサックの量を含めたライフサイクル的な視点が重要と言えます。 |
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