活動レポート
2019年8月号

資源循環・廃棄物研究センター 2019年 夏の大公開

多田 容子

毎年恒例となっている国立環境研究所・夏の大公開が、2019年7月20日土曜日に開催されました。雷雨などの予報も出ておりましたが、なんとか天候も崩れることなく過去最高の6,165名という多くの方々にご来場いただきました。蒸し暑い中ご来場いただいた方々には感謝申し上げます。資源循環・廃棄物研究センター(以下「循環センター」と記します)での催し物を以下でご紹介します。

こでん屋さん

循環センターの人気企画「こでん屋」は、携帯電話やデジタルカメラ、音楽プレーヤー等の使用済みの小型家電製品(小電:こでん)に、金属などの貴重な資源が含まれていることが体感できるゲームです。展示室の入り口で箱からミッションカード(写真1)を引いたらゲームスタート!ミッションカードには回収を目指す金属と、回収目標の重さが書かれています。同室内のパネルに示されたヒントを見て、どんなこでんにどんな金属が多く含まれているかを予想しながら、こでん鍋(写真2)からこでんを選んでレジで答え合わせします。(今年はセルフレジを導入しました!)自分たちの身近にあるこでんに様々な金属が含まれていること、こでんを長く使うことやリサイクルすることが重要なことに気がついてもらえたら私たちとしましても嬉しいです。なお、ミッションの達成度に合わせてビー玉すくいが出来ることもあってか、何度もチャレンジする人もたくさんいらっしゃいました。

写真1 ミッションカードの例写真1 ミッションカードの例
写真2 こでん鍋写真2 こでん鍋
写真3 参加賞の金属元素をモチーフにしたオリジナルキャラクターのキラキラシール写真3 参加賞の金属元素をモチーフにしたオリジナルキャラクターのキラキラシール
写真4 ビー玉すくい写真4 ビー玉すくい

熱処理プラント実験室公開

「熱処理プラント実験室公開」では、家電のリサイクルとごみの焼却・溶融についての展示を行いました。家電のリサイクルについては、分解した廃家電や小型廃家電を見て頂きながらご説明しました。ごみの焼却・溶融(高温で溶かすこと)については、同室にある実験用焼却炉を使ったごみの焼却と減容化(物の容積や容量を少なくすること)をご紹介しました。また、実物の焼却灰や溶融スラグを顕微鏡で直接見てみるコーナーもあり、ごみ処理について実感を持って感じていただけたのではないかと思います。

写真5 熱処理プラント実験室展示の様子写真5 熱処理プラント実験室展示の様子

トレジャーハンター ~埋立地の謎を追え!~

「トレジャーハンター ~埋立地の謎を追え!~」では、ごみの最終処分場(廃棄物埋立地)のことを知ってもらうために、廃棄物の分別・リサイクルに関するクイズを行いました。同室の中に隠された様々な種類のごみを生ごみ、プラスチック、がれきに分別して、分別したごみをリサイクルする技術を「選別(より分けること)・溶融」、「破砕・分級(大きさで分けること)」、「最終処分」、「堆肥化」から選んでもらいました。参加いただいた方々はうまく答えられましたでしょうか?学習したことの振り返りとして、海外の処分場の風景を印刷したマグネットステッカーを配布しました。また、実験室に設置されている大型ライシメーター(埋立処分シミュレータ)の説明や最終処分場に関する研究内容の紹介は大人の方にも興味を持って頂きました。

写真6 トレジャーハンタークイズの回答の様子写真6 トレジャーハンタークイズの回答の様子
写真7 処分場マグネットステッカーの例写真7 処分場マグネットステッカーの例

排水の処理と資源の循環

「排水の処理と資源の循環」では、微生物を利用した、生活排水や有機性廃棄物などの処理・循環利用技術に関する展示と説明を行いました。また、日本独自の生活排水処理技術である浄化槽のミニチュアモデルや、汚泥から作られたコンポスト、回収リンなどの展示を行いました。浄化槽のミニチュアモデルには小さいお子さんも興味を持ってくださり、お家の中のどこから汚れた排水が多く出ているか、などを知って頂くとともに、食べ残し、飲み残しを減らすことで環境に貢献できることなどを学んで頂きました。また、水環境全般に関心をお持ちの学生さんから色々と質問を頂くなど、とても有意義な1日でした。

写真8 排水の処理と資源の循環を説明している様子写真8 排水の処理と資源の循環を説明している様子

紙を使って色を分けよう

幼児や小学生が対象の体験型の企画として200名の方に、「紙を使って色を分けよう」を体験して頂きました。ろ紙などの紙の上に水性ペンで色を付け、水を含ませると色素が移動しますが、色の種類によって移動距離が違うことや、一部の色は複数の色素を混ぜ合わせて出来ていることを利用していろいろな模様を作りました。完成品はしおり等としてお持ち帰りいただきました。どうして色によって移動距離が違うのか、また色が分かれるのかというと、色素の種類によって水とのなじみやすさが違い、なじみやすいと移動距離が広がるため違いが出ます。また、色によっては複数の色素が含まれているので、それぞれの色素の水のなじみやすさが違うので色が分かれます。このように、いろいろなものが混ぜ合わさった試料から、移動速度の差を利用して分ける方法は、基本的な分析の技術で、今回のように紙をつかったものは「ペーパークロマトグラフィー」と呼ばれます。残念ながら体験頂けなかった皆さんには自宅でできる体験キットをお持ち帰り頂きました。

写真9 紙を使って色を分けようの体験の様子写真9 紙を使って色を分けようの体験の様子
写真10 色が分かれる様子写真10 色が分かれる様子

災害時の廃棄物処理についての展示とクイズ

昨年から引き続いて、災害時に出る廃棄物(ごみ)についてどのように処理するのか写真展示と動画を使って紹介し、小学生向けには災害ごみに関するタブレットを使ったクイズもチャレンジして頂きました。また、今年は新たに、2018年の西日本での水害の最大到達高さを実感してもらう展示も行い驚きの声が上がっていました。

写真11 災害ごみに関するタブレットを使ったクイズ写真11 災害ごみに関するタブレットを使ったクイズ
写真12 2018年西日本水害の最大到達高さの展示写真12 2018年西日本水害の最大到達高さの展示

これら以外には、昨年から引き続きつくば市の廃棄物対策課の方が今年4月からスタートしたプラスチック分別に関するチラシを配り啓蒙活動を行っていました。また、別の建物(地球温暖化研究棟)で開催された環境サイエンスカフェ「プラスチック何が問題?」に寺園副センター長と田崎室長が登壇したところ、70名を超える参加があり、社会から多くのご関心が寄せられていることを感じました。

今年は今までになく混雑が発生してしまい、ご来場いただいた方々にはご迷惑をおかけしました。来年はその反省も踏まえながら研究内容をより分かりやすくお伝えできるように頑張りますので、ぜひお越しください。お待ちしています。

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