循環・廃棄物の豆知識
2018年7月号

都市鉱山-都市に隠れた資源の再認識-

中島 謙一

「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」

オリンピック・パラリンピック史上初の画期的な国民参加型のプロジェクトとして、2017年に「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト1が始動しました。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)は、東京オリンピック・パラリンピックで使用する約5000個のメダル製作にリサイクル金属を活用する予定で上記の国民参加型プロジェクトを進めています。プロジェクトのWebサイト2では、回収方法やイベント情報を告知したり、プロジェクトに参加している自治体(市区町村)の回収量ランキングを公開したりしています。「メダルはどのように作られるのか?」、「どのような回収方法があるのか?」、「どこで回収しているのか?」、「私たちの自治体は参加しているのか?」、そして、「私たちの自治体の回収量はどの程度か?」といった事もわかりやすく知ることができます。

また、上記の取り組みと関係して、日本では、2013年4月より使用済小型家電のリサイクルを実施しています。環境省は、使わなくなった小型家電を、どこでリサイクル回収できるか簡単に検索する為のWebサイト「小型家電リサイクル回収ポータルサイト3を設置しています。

なお、私たちの資源循環・廃棄物研究センターにおいても過去の記事(「資源循環・廃棄物研究センター 2017年 夏の一般公開」(2017年9月号)、「小型家電に入っている電池の回収・リサイクル」(2016年3月号)、「小型家電と金属のリサイクル」(2013年7月号)、使用済み小型家電の『退蔵』」(2012年4月号)、「都市鉱山」(2009年1月26日号)など)において、研究の取り組みなどを紹介しています。また、リサイクルの重要性について、エコリュックサックとも関りの深い関与物質総量(TMR: Total material requirement, 図1)の観点からの研究にも取り組んでいます。小型家電に含まれる金を例にあげると、1グラムあたりの金を得るためには、鉱石や剥土を含めて、約百万倍(1.1トン)の採掘を伴うとの試算4もあり、天然資源から物質を得るためには膨大な採掘が伴うことがわかるかと思います。合わせて参考にして頂ければ幸いです。

夏の大公開の到来

さて、ひまわりが日に日に背を伸ばすこの頃、今年も7月21日に国立環境研究所 夏の大公開が開催されます。昨年を振り返ると、私たちの資源循環・廃棄物研究センターでは、暑い日差しを上回る参加者の熱気のなかで、「Mission資源を回収せよ!2」をテーマに企画・展示を行い、循環棟の展示室では、「都市に隠れた資源を探そう」と題した催し物を開催しました。その催し物では、つくば市と連携する事で、東京2020組織委員会主催の「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」1,2のイベント回収として各家庭に眠っている使用済みとなった小型家電の回収とミニ講座(約170名)および回収を進めるためのMy都市鉱山バッグの配布(約500部)などを行いました。今年も小型家電に関するイベントを含めて、楽しく学べる催し物の準備を進めています。小型家電リサイクル、更には、都市に隠れた資源としての都市鉱山のリサイクルを通じて、持続可能な社会の仕組みを考えていきましょう。

  1. 公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会, 「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」について
  2. 都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト
  3. 環境省, 小型家電ポータルサイト
  4. 片桐望, 原田幸明, 中島謙一概説 資源端重量(Total Material Requirement)NIMS-EMC 材料環境情報データ, 物質・材料研究機構, No.18, 2009
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