循環・廃棄物の豆知識
2012年2月号

準好気性埋立地における熱対流現象

石森 洋行

準好気性埋立地には、埋立地内の高い温度を利用して、埋立廃棄物の分解に必要な空気を、埋立地内へ自ずと引き込むことのできる特徴があります。このように環境中の温度差を利用して空気等の流体が移動することを熱対流と呼びます。ここではそのメカニズムを考えてみましょう。

例えば、ストーブやオイルヒーター等の暖房器具を考えます。これらの暖房器具は設置位置の周辺の空気を暖めますが、その暖められた空気はどのように移動するのでしょうか?気体には温度とともにその体積が大きくなるという膨張性があるため、暖房器具で暖められた空気の密度(単位体積あたりの重さ)は小さくなります。暖房器具の影響の及ばない遠方の空気よりも軽くなるので、暖められた空気には浮力が発生し上方に移動します。同時に、その移動した分の空気量を補うために、周辺の空気は暖房器具の周辺へ 流れ込みます。送風機等の動力を必要とすることなく、温度差のみでも気体を動かすことができるのです。

準好気性埋立構造(日本発祥)

埋立地内に埋め立てられた廃棄物には有機物の分解や化学反応に伴い熱が発生するため、その温度は一般に60度前後になると言われています。埋立廃棄物から発生したメタンや二酸化炭素はその温度により暖められ、発生した浮力により上方へと移動しますが、廃棄物層の表面は透気性の低い最終覆土に覆われているため、その通過には時間がかかります。準好気性埋立地では、この点を解消するために、大気につながっているガス抜き管を設けることで、廃棄物層内に発生したガスを速やかに排出できる工夫がなされています。また最深部にも大気につながっている浸出水集排水管を設けることで、廃棄物層から排出されたガス量を補うように、新鮮な空気を廃棄物層内へ引き込むことができるのです。

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