循環・廃棄物の豆知識
2011年10月号

バイオマスの単位

加用 千裕

皆さんが最近よく耳にする「バイオマス」には、農林水産物やそれらを原料とする木材、紙、食品など生活に身近なものから、間伐材、建設廃木材、家畜ふん尿、生ごみ、下水汚泥など、普段はあまり意識していないものまでいろいろな種類があります。日本や世界にどれくらい存在し、どのように利用できるかが注目されています。こうしたバイオマスの大きさを表す単位には、さまざまなものが使われています。後者のバイオマスを例に、代表的な単位をいくつかご紹介しましょう。

まず、重さを表す単位はt(トン)やkg(キログラム)ですが、バイオマスには水分を含む場合と含まない場合の表し方があります。水分を含む重量はwet・tやwet・kg、水分を含まない重量はdry・tやdry・kgなどと表されます。通常、家庭の生ごみは約80%が水分(含水率80%)ですが、建設廃木材の含水率は15%程度です。水分を含む重量100 wet・tの生ごみと廃木材は、水分を含まない重量で表わすと20(= 100 - 80)dry・tと85(= 100 - 15)dry・tになり、ずいぶん違いがあることが分かります。

また、J(ジュール)やcal(カロリー)といったエネルギー(発熱量)の単位で表わすこともあります。発熱量には、潜熱(水分が凝縮するときに得られる熱量)を含む高位発熱量と、含まない低位発熱量がありますが、ここでは高位発熱量を使うことにします。例えば、バガス(サトウキビの搾りかす)の持つ発熱量は、1 dry・t当たり約17 GJ(ギガジュール:1Jの109倍)ですが、鶏のふん尿は1 dry・t当たり約13 GJです。バイオマスの種類によってエネルギーとしての大きさは変わってきますね。

さらには、バイオマスに含まれる炭素の量で表すこともあります。たいていのバイオマスは成分の半分が炭素でできているので、1 dry・t = 0.5 t-C(炭素換算トン)としてバイオマスの炭素量を計算することもよくあります。また、分子量を使って炭素量を二酸化炭素量として表すこともあり、その時は1 t-C = 3.666(= 44 / 12)t-CO2(二酸化炭素換算トン)の関係を使います。

このように、バイオマスはいくつもの単位で表わすことができますが、それぞれの単位の意味を理解し、目的に合ったものを使うことが大切です。例えば、バイオマスの輸送効率を考えたい時は水分を含む重量wet・t、電気や燃料の生産効率を考えたい時は発熱量J、炭素固定や二酸化炭素排出削減の効果を考えたい時は炭素量t-Cや二酸化炭素量t-CO2を用います。ぜひいろいろな単位を使ってバイオマスを眺めてみてください。

バイオマスの重さを表す単位
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